日高線廃止を23日調印、JR北海道と沿線7町長
JR日高線沿線の7町は6日、新ひだか町で臨時町長会議を開き、鵡川―様似間(116キロメートル)を2021年3月末に廃線することでJR北海道と合意した。23日に開く次回会合には沿線7町長に加え、同社の島田修社長も出席。路線廃止の同意書や覚書に署名する。

争点だった高波被害による護岸復旧工事については、JR北海道と北海道が23日までに細部の調整を終えたい考え。鉄路廃止の合意により、運休していた列車の代行バス運行も3月末で終わる。JR北海道が出す25億円の支援金を活用し、4月1日からは7町側によるバス運行が始まる。

終了後に記者会見した日高町村会の坂下一幸会長(様似町長)は鉄路廃止について「鉄路を残したいとの思いで活動してきた。将来を含めて住民の足を確保するための苦渋の選択」と話した。ただバス転換後も利用率の拡大は大きな宿題。坂下会長は「町民にバスに乗ってもらわないと」と危機感をにじませ、町職員の出張でもバスを利用するように出張規程を改定する考えを示した。
高波被害から6年近くたち、線路脇に雑草が生い茂るなど鉄路の不在は日常の風景となった。住民にも鉄道廃止をやむなしとする向きは多く、新ひだか町に住む30代女性は「自家用車があるので、鉄道がなくなっても不便はない」と語った。一方、乗客が多かった時代を知る80代女性は「寂しい」と話していた。
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