静岡の創造舎 構造製作所 木材加工で高いデザイン性
ふじのくに戦略拠点

2020/10/6 20:00
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静岡県中部で、フルオーダーのモダン建築を手掛ける創造舎(静岡市)。建築物に使う木材の加工場「構造製作所」がある。パネルで建物の面を構成するツーバイフォー(2×4)工法が主流の同社で使う、すべてのパネルを作る。外注に比べ、設計の意図や熱を反映しやすく、デザイン性の高い建物を実現するための拠点だ。

工場内の打ち合わせスペースから木材を成型したり切断する様子が見える(静岡市)

構造製作所の外観。夜はライトアップされ、幻想的な雰囲気になる

一部2階建てで、総床面積は約360平方メートル。1階が作業場、2階は顧客や社員との打ち合わせ部屋になっている。3人の職人が毎日、木材を切り、削り、組み合わせ、建物の「構造」を作っている。

創造舎の代名詞とも言えるのが、JR静岡駅から西側に約1キロメートル、市の中心部にほど近い七間町・人宿町エリアの再開発だ。今年2月には5階建て商業施設「OMACHIビル」を開業するなど地元の個性ある飲食店や体験施設をエリアに集め、にぎわう。

この地域の店舗や商業施設のほか、住宅やクリニックなど合わせて毎年15~20軒の建築を手掛ける。そのうち9割が木造だ。

日本の木造建築は、木の柱や梁(はり)を使って組み立てる在来工法が7~8割を占めると言われる。創造舎の木造建築の9割は、パネルを組み合わせるツーバイフォー(2×4)工法だ。

木材を多く使うためコストはかかるが、独特の重厚感のあるつくりや、木材の厚みを利用した飾り棚など、幅広いデザインが可能になるとともに、強度を高めることができるとされる。パネルは高さ2.75メートル、幅は大きくて5メートル。現地ではくぎやのこぎりを使った作業をほとんどしないため、工期が短いのも特徴だ。

デザイン事務所がパネルなどの資材を自前でつくるのは珍しい。創造舎も2015年11月に構造製作所を開所するまでは外注でパネルを作っていた。中川忠大所長は「設計段階で『こんなデザインの建築は可能か』とパネルをつくる職人に相談でき、設計士の細かい意図が伝わるようになった」と語る。

人の目を引くデザインは構造製作所自体にも施されている。道路に面した作業場は大きな窓があり「道行く人や車とよく目が合う」と中川所長。外壁面には、アート作品を飾る高さ約6メートルの巨大スペースがあり、1年半に1回の頻度で、社内コンペで選ばれた作品に入れ替わっている。

立地は、もともと木工家具店が多く立ち並ぶ静岡市の丸子地区の国道1号線沿い。藤枝市との市境に近く「静岡市を木工の街、ものづくりの街とアピールしたい」との山梨洋靖社長の狙いもある。静岡市のまちづくりをけん引するデザイン事務所は、自社の木材加工場にも、街を印象づける役割を与えている。(亀田知明)

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