秋祭りも「密」対策 車でみこし運搬、リモート神事も

2020/10/6 9:30
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昨年5月の三社祭で浅草神社の境内を練り歩くみこし

昨年5月の三社祭で浅草神社の境内を練り歩くみこし

新型コロナウイルスの影響が長引く中、各地で行われる秋の祭りが「密」対策で試行錯誤している。みこしを車で運んだり、神事はオンラインで中継したり。コロナ下で中止となる祭りも多い中、なんとか開催だけは維持しようと、担い手たちが知恵を絞っている。

例年5月に開催され、東京の初夏の風物詩とされる浅草神社の「三社祭」。コロナの影響で今年は10月17、18日に延期された。芸者衆らによる華やかな大行列や町会のみこし約100基が繰り出す「町みこし」は中止したが、神社の御神霊をみこしに乗せ、各町会を回る「宮みこし」は、人が担ぐのではなく、御用車(トラック)で運ぶことで実施する。

「神様に町をみていただく大切な行事。コロナ禍でも何ができるのか考えた」と話すのは宮司の土師幸士さん。「700年の歴史を誇る祭りを続けるため、少しでも前に踏み出さないと」。密を避けるため、宮みこしのルートは非公表。見物人が滞留しないよう注意を呼び掛ける。

新型コロナの感染リスクがある「密」を防ぐため、大規模な祭りは今年中止が相次ぐ。毎年9月に行われ、数十万人が訪れる「岸和田だんじり祭」は終戦の年の1945年以来、75年ぶりに中止された。長崎市で江戸初期から続く秋の大祭「長崎くんち」も主要な出し物を中止した。

一方でオンラインでの開催も目立つ。岐阜県関市の「刃物まつり」は、人気催事をオンラインで行う。半世紀の歴史があり、例年25万人が来場するが、昨年は台風の影響で初めて中止した。市観光課の担当者は「2年連続で中止だと人々の記憶から薄れてしまう」と危機感を語る。

包丁などが割安で手に入るとして人気の「大廉売市」は、9月末~12月末にふるさと納税のサイトを活用し、刃物を返礼品として提供する。プロの研師による包丁研ぎは「包丁研ぎ講座」として10月10日にオンラインで配信する。ふるさと納税の返礼品をもらえない市民に向け、メーカーなどが各事業所やオンラインでの特売も行う。

日本三大銘醸地とされる西条(広島県東広島市)で例年20万人超を集める「酒まつり」も今年はオンラインで開催し、動画投稿サイト「ユーチューブ」で神事を中継する。10、11日に酒場詩人として知られる吉田類さんの対談動画も配信する。実行委員長の徳森和芳さんは「中止するのは簡単だが、新しいスタイルに挑戦することで、新たなつながりが生まれれば」と期待する。

北九州市で例年8月に開催される「わっしょい百万夏まつり」は11月に、ビデオ会議システム「Zoom(ズーム)」を使い、市民ら約200人がいっせいに「百万踊り」を披露する。実行委員会の担当者は「市民を元気づけたい。人が集まらない方法での開催を考えた」と話している。

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