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学術会議会員は特別国家公務員 研究予算配分に影響力

(更新)
日本学術会議の会員は210人と研究者の中でも一握りだ(2日、東京都内で開かれた総会)=共同

日本学術会議が推薦した新会員候補6人の任命を政府が拒んだことを巡る議論が活発になってきた。菅義偉首相は5日の日本経済新聞などのインタビューで、特別職国家公務員である会員の任命責任が首相にある点を踏まえた判断だと説明した。

首相は同会議について「国の(支出する)予算が10億円ある。会員は公務員の立場になる」と述べ、任命拒否は問題ないとの認識を示した。

会員の推薦について「現状は事実上、会員が後任を指名可能な仕組みだ」と指摘し、見直しの必要性を提起した。

同会議は政府の4兆円の研究予算配分に一定の影響力を持つ。学術会議は大型研究プロジェクトに関する方針「マスタープラン」を策定する。文部科学省はこれを参考にしながら優先的に進める研究計画を決める。

日本学術会議法に「独立して職務をする」との文言はあるものの、政府側は内閣府の機関だと強調する。元政府高官は「安全保障分野への予算配分に極めて慎重で、日本の防衛装備品の技術開発が進まず中国に後れを取る要因だ」と語った。

同会議の会員は210人で任期は6年である。3年ごとに半数を入れ替える。87万人いる研究者で会員になれるのは一握りだ。

日本学術会議法は「優れた研究または業績がある科学者」を推薦すると規定しており、会員になれば研究者としての評価につながる。

加藤勝信官房長官は5日の記者会見で、政府が同会議に毎年支出する10億円程度の関連予算の内訳を明らかにした。

事務局の人件費と事務費が5億5千万円、政府や社会への提言のための経費が2億5千万円、各国学界との国際的な活動に2億円などだった。これらの項目には会員の旅費が含まれる。

政府は1983年に国会で「首相による任命行為は形式的なもので、推薦された者をそのまま任命する」と答弁した。

加藤氏は記者会見で、任命に関する法解釈に関して内閣府が2018年に内閣法制局と協議して「任命権者の首相が推薦の通り任命しなければならないわけではないという整理がなされた」と話した。

日本学術会議の会員になると文科省の機関である日本学士院の会員を推薦することもできる。学士院は終身会員で定員が150人おり、文科省の予算で年金が支給される。学術会議以外の推薦で会員になる道もある。

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