ノーベル賞「C型肝炎ウイルスの発見」 米などの3氏に - 日本経済新聞
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ノーベル賞「C型肝炎ウイルスの発見」 米などの3氏に

生理学・医学賞

(更新)

スウェーデンのカロリンスカ研究所は5日、2020年のノーベル生理学・医学賞を米国立衛生研究所(NIH)のハービー・アルター名誉研究員、カナダ・アルバータ大学のマイケル・ホートン教授、米ロックフェラー大学のチャールズ・ライス教授の3氏に授与すると発表した。

授賞理由は「C型肝炎ウイルスの発見」。肝硬変や肝臓がんを引き起こす血液性肝炎の原因を突き止め、血液検査や治療薬の開発に道を開いたことが評価された。

世界保健機関(WHO)はC型肝炎ウイルスの感染者は世界全体で約7000万人、16年にC型肝炎で約40万人が死亡したと推定している。国立感染症研究所によると13年時点の日本国内の感染者は推定約150万人。日本ではウイルスに汚染した血液製剤を投与されて感染する薬害肝炎が大きな問題となっている。

ウイルス性肝炎では、汚水や食べ物で感染するA型ウイルスのほか、外科手術などの輸血による肝炎の発生が第2次世界大戦の頃から広く認識されていた。血液を介して感染するB型のウイルスが発見され、76年にノーベル賞を受賞した。

アルター氏はA型、B型とは異なる肝炎ウイルスの存在を実験で指摘。89年にはホートン氏が新たな肝炎ウイルスの遺伝子の断片の特定に成功した。さらにライス氏がウイルスが単独で肝炎を引き起こすことを実験的に証明した。検査法が確立し、抗ウイルス薬の開発も可能になった。

授賞式は12月10日にオンラインで開く。賞金は1000万スウェーデンクローナ(約1億2000万円)。

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2022年のノーベル賞発表は10月3日の生理学・医学賞からスタート。4日に物理学賞、5日に化学賞、6日に文学賞、7日に平和賞、10日に経済学賞と続きました。

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