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米最高裁判事、承認急ぐ共和 民主コロナ感染で延期要求

【ワシントン=中村亮】新型コロナウイルスの感染が米与党・共和党で広がり、同党が推進する連邦最高裁判所判事の早期承認への影響に注目が集まっている。議員の自主隔離が長引けば、採決に必要な票が不足するからだ。野党・民主党は議会での感染拡大を抑えるため手続きの延期を主張、与野党対立が深まる。

米共和党上院トップのマコネル院内総務は11月の大統領選前にバレット氏を最高裁判事に承認すると明言していない=ロイター

トランプ大統領は9月下旬、ルース・ギンズバーグ判事の死去を受けて後任に保守派のエイミー・バレット氏を指名した。通例では上院司法委員会が判事の公聴会後に採決を行い、その後に上院(定数100)の本会議で過半数の賛成票を得ると指名が承認される。

現在上院では共和党が53議席を持つ。11月3日の大統領選と同時に実施される上院選では35議席が争われるが、複数の州で共和党候補の劣勢が報じられている。

司法委は10月12~15日にバレット氏の公聴会を予定する。オンラインでの質疑も併用するが、民主党内では終身制で米社会に大きな影響を及ぼす最高裁判事の公聴会ではオンライン質疑は認めず、延期を求める声が多い。

トランプ氏は大統領選前に本会議での承認にこぎ着ければ支持基盤である保守派有権者に成果をアピールできるとみており、共和党内にもトランプ氏の考えに同調する議員が目立つ。

承認を急ぐ政権・共和党に立ちはだかる形となったのがコロナの感染問題だ。2日にはトランプ氏の感染が判明し、軍の病院に入院した。

同氏が9月下旬にホワイトハウスで開いたバレット氏の指名イベントには、感染が明らかになった2人の共和党上院議員が出席しており、バレット氏も濃厚接触者に該当するとの見方も出ている。大半の出席者がマスクを着用せず、社会的距離もとっていなかったことから、集団感染が起きたと批判されている。

司法委の規則では判事承認の賛否を問う採決の条件を「過半数の委員の出席」としている。司法委には共和党から12人、民主党から10人が所属する。共和党のうち2人がコロナに感染し、米メディアによると別の2人も感染者との濃厚接触で自主隔離している。仮に4人が欠席し、民主党全員が出席を拒めば採決ができない。

上院規則では司法委の採決なしでも、本会議での手続きに進むことができる。ただ議会調査局によると、1971年以降に司法委の採決を経ずに本会議で承認された最高裁判事はいない。共和党指導部が司法委の採決を省略すれば、国民の関心が高い人事について「承認ありき」で手続きを進めたとの強い反発を受けるのは確実だ。

判事承認の手続きを最終決定する共和党上院トップのマコネル院内総務はこれまで大統領選前に本会議での承認手続きを行うとは明言していない。駆け込み承認が大統領選や上院選にどのように影響するのかを慎重に見極めているとみられる。

一方、民主党上院トップのシューマー院内総務は4日、共和党議員の感染を踏まえて「(他の)上院議員がどれほどコロナに感染したのか全容は判然としない」と指摘し、承認手続きを遅らせるべきだと訴えた。

バレット氏が承認されれば、最高裁判事9人のうち6人が共和党の価値観に近い保守派となる公算が大きい。バレット氏は人工妊娠中絶の権利や低所得者の医療保険加入を促す制度に否定的な立場をとり、民主党は共和党内での相次ぐコロナ感染をきっかけに承認阻止を目指す。

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