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神奈川県自治体、予算編成難航 コロナで税収大幅減に

神奈川県は21年度予算編成で1100億円の財源不足を見込む

神奈川県内の各自治体の2021年度当初予算編成が難航している。新型コロナウイルスの感染拡大で税収が大幅に減る見通しで、財源不足が深刻だ。各自治体はリーマン・ショック後に財政健全化に取り組んできたが、道半ばで大きな壁にぶち当たっている。

「大幅な歳出削減や歳入確保は、スリム化が進んだ現状では困難だ」――。県財政課の担当者は苦渋の表情を見せる。

県は予算編成にあたり、1100億円の財源不足を見込む「危機的な状況」(黒岩祐治知事)だ。リーマン時も1000億円超の不足見通しだったが、当時は09~10年度に知事部局の職員数を520人削減したり、県有地を146億円分売却したりして乗り越えた。当時大胆にメスを入れた分、今回は財源を生み出す余裕が少なくなっている。

各部局の予算要求は20日にまとまるが、各部局は財政当局から県主催イベントや不急の建設事業などは原則、中止・延期するよう要請されている。財政調整基金(20年度末で477億円の見込み)の活用や、10月末に期限を迎える法人県民税と法人事業税の超過課税措置を5年間延長する条例の制定をめざすなど、あの手この手で対策を練る。

県は23年度までに県債残高を20年3月末時点の3兆3766億円から2兆円台に減少させることを目指しているが、減収補てん債の大量発行を迫られる可能性もあり目標達成は「厳しい状況」(財政課)になっている。

財政の抜本改革を進める相模原市も新型コロナが直撃している。これまで新規・拡充事業を原則凍結し、構造改革の策定に取り組んできたが、21年度の市税収入が20年度当初予算比で約110億円減と政令市移行後最大の減少額になる見通しなどが判明。構造改革は再考を迫られ、策定は当初予定の6月から21年3月に延期した。

横浜市は9月の局区長会で、21年度は970億円の財源不足になるとの見通しを示し、事業見直しを指示した。市税収入は約7980億円と20年度当初予算に比べて460億円少なくなる見込み。企業の業績悪化による収入減などで個人市民税が280億円、法人市民税は180億円減少するとみる。

林文子市長は9月30日の記者会見で「市民の生活や本当に大事なところは止めてはならない」とし、不要不急の事業見直しなどに取り組みつつ、国などへコロナ対策の財政支援などの要望を続ける方針だ。

川崎市は21年度に収支不足が307億円に達する見通しだ。建設予定を遅らせるなど既存事業の見直しを進めるが、大幅に削減できる案件がなく、減債基金からの新規借り入れなどで対応する予定だという。

神奈川県のまとめでは、県内全市町村の財政の硬直度を示す19年度の経常収支比率は18年度比0.4ポイント上昇の94.8%と過去最高を更新した。同比率は人件費や扶助費などの義務的経費が市税や地方交付税などに占める割合で、70~80%が適当とされる。財政の自由度がなくなれば、各自治体の政策運営は一層難しさを増す。

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