/

都市力、函館が全国35位で健闘 知名度や交通に強み

データ解読

北海道函館市はコロナ下で近隣の行楽を盛り上げようとしている(3日の「いか祭り」)

森ビル系シンクタンクの森記念財団都市戦略研究所(東京・港)が都市力をランキング評価した「日本の都市特性評価2020」によると、国内109都市のうち北海道は5市がランクインした。札幌市が9位だったほか、函館市が35位と健闘した。

ランキングは「経済・ビジネス」「文化・交流」など6分野の計83指標からスコアを算出する。経済力や人口など都市の「規模」だけでなく、暮らしやすさや自然環境など「質」も反映される。

対象は東京23区や政令指定都市、道府県庁所在地、通勤・通学者が集まる各地の有力都市。2019年の72都市から対象を増やしたため、函館の総合順位は前年の25位から下がったものの、スコアは829.7で19年(840.9)とほぼ同水準を維持した。

函館は人口が約25万人で、札幌市(約197万人)に遠く及ばない。大手企業も少ないため、経済・ビジネスは101位と低位。だが、文化・交流(14位)などの評価が高かった。

文化・交流のうち「魅力度・認知度・観光意欲度」は首位の札幌市などに続き3位。函館駅前で高層ホテルの建設を決めたケン・コーポレーション(東京・港)の佐藤繁社長が指摘したように「函館の名は誰でも知っている」強みがある。

「研究・開発」(18位)で「トップ大学数」「論文投稿数」が上位に入ったのは、北海道大学水産学部や人工知能(AI)に強い公立はこだて未来大学が立地するためとみられる。

「交通・アクセス」(21位)は市街地のすぐ東に函館空港があることや通勤時間の短さが寄与した。隣の北斗市で北海道新幹線が利用できるのは、札幌にはない優位性だ。

一方、函館は弱点も多く、若手人材転出入や財政力指数、平均寿命・健康寿命などが100位以下。「行ってみたい憧れの街だが、住むと苦労も多い」という函館の光と影が浮かび上がる。他機関のランキングを見ても、函館は市区町村魅力度(ブランド総合研究所)で首位の常連でありながら、幸福度(日本総合研究所)は全国中核市で下位だ。

道内の他都市をみると、札幌の総合スコアは961.0で、順位は前年(8位)とほぼ同じ。札幌一極集中が指摘されるほどの企業・人口の多さのほか、観光地としての人気、ホテルやイベントホール、大学の充実が高評価につながった。

旭川市、釧路市、苫小牧市は個別順位が非公表の51位以下。とはいえ、旭川は知名度や女性就業割合、空港アクセスが上位。釧路は空気のきれいさ、通勤時間の短さ、渋滞の少なさが首位など、それぞれ強みがある。

スコアは新型コロナウイルス感染拡大前のデータで算出している。函館の観光・飲食業もコロナ禍で打撃を受けたが、函館や神奈川県鎌倉市、那覇市といった中堅観光都市は近場を旅行する需要に支えられ、東京都心や京阪神の大都市に比べマイナスの影響が少ないと分析する。

道内各都市はコロナ禍の痛手に苦しむと同時に、大都市圏からの企業分散やワーケーションの受け皿にもなり、都市政策の転機を迎えている。森財団は「各指標に表れた地域の強みや課題を見つめ直し、街づくりに役立ててほしい」としている。」

(伊藤政光)
新型肺炎

すべての記事が読み放題
有料会員が初回1カ月無料

セレクション

トレンドウオッチ

新着

ビジネス

暮らし

ゆとり

新着

ビジネス

暮らし

ゆとり

新着

ビジネス

暮らし

ゆとり

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
新規会員登録ログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン