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1万円超える高級マウス 「納得できる」機能って何?

戸田覚の最新デジタル機器レビュー

NIKKEI STYLE

今回はスイスのパソコン周辺機器メーカー、ロジテック・インターナショナルの日本法人ロジクール(東京・港)が発表した高級マウス「MX Anywhere 3」を紹介する。発売は20年10月29日、税込み価格はなんと1万円超えの1万780円(公式オンラインストアでの販売価格、以下同)だ。

マウスなら500円でも買える――と思う方もいらっしゃるだろう。だが、マウスとキーボードは毎日何十回、何百回と触れて操作をする。仕事の核になるデバイスだけに、安物を使い続けるのはちょっと悲しい。テレワークによって自宅でパソコンに向かう時間が増えている人も多いので、マウスやキーボードには、ぜひともこだわりたい。高級なマウスを手にすると、質感の良さからテンションが上がる。また、機能が優れているので作業効率もアップする。

MX Anywhere 3の魅力を詳しく紹介していこう。

高級感のあるボディー

MX Anywhere 3を手にすると、さすがに高級モデルらしい質感にうれしくなるだろう。本体は樹脂製だ。実は過去のロジクール製高級マウスは、手触りがしっとりとしたラバーなどが素材に使われていた。ところが、汚れが落ちにくいなどのデメリットがあり、代を重ねた結果、質感のよい樹脂に改められているのだ。

目立つホイールはスチール製なので、ちょっと冷たい金属の手触りが素晴らしい。使っていて心地よく感じる重さがあるのもうれしいところだ。

実は、MX Anywhere 3は同社の最高級モデルというわけではない。最上位モデルは「MX Master 3」で、1万4850円という価格だ。

MX Anywhere 3は、最上位モデルに近い機能を持ったモバイル向けの製品という位置づけになる。とはいえ、手の小さな人が多い日本人には、MX Master 3ではオーバーサイズに感じることもある。MX Anywhere 3も特に小さいわけではなく、一般的なマウスに近い大きさなので、机上に常に置いて使うのにもおすすめだ。

ガラスでも使えるセンサー

MX Anywhere 3のセンサーは、ガラス面でも利用できる特殊なタイプを採用している。カフェのテーブルはガラス製が多いのだが、そこでも問題なく利用できる。木材やデニムのパンツの上でも使えるなど、外出先でも場所を選ばずに利用可能だ。

バッテリーは充電式で、USB-Cケーブルを使用する。ケーブルは付属するが、スマートフォンなどの充電器やケーブルも問題なく使える。1回フル充電すれば約70日間使用可能。また、1分間の充電で3時間使えるという。

パソコンなどのデバイスとの接続は、Bluetoothもしくは、付属の専用レシーバーになる。底面にボタンが付いていて、3台のデバイスとの接続に対応する。ウィンドウズパソコンとマックを含めて、合計3台をボタンで切り替えて利用できる(詳しくは後述)。

ボタンに機能を割り当てられる

MX Anywhere 3には、左右のクリックボタンのほかに、本体左側面に「戻る」「進む」ボタンが搭載されている。アプリごとに機能の割り当てが変更でき、例えば、Webブラウザーは「戻る」「進む」で利用し、Excelは、「やり直し」「取り消し」といった、異なる設定ができるのだ。

ホイールは「モードシフトボタン」で回転方式を切り替えられる。クリック感のある回転と自由な回転を、好みで選べばよい。また、思い切り回すとフリーホイールで高速回転し、ExcelやWordなどの大きな書類でも、1秒に1000行スクロールする。

ホイールとボタンは、使い慣れるとほかのマウスには浮気ができなくなるほどすてきだ。個人的には、クリック感のあるスクロールで行を送っていくのが気に入っている。

複数のパソコンで快適に使える

MX Anywhere 3は、「Flow(フロー)」という機能に対応している。例えば、ウィンドウズとマックそれぞれで利用できるように設定しておくと、いちいちボタンで切り替えなくてもマウスを利用できる。左にウィンドウズ、右にマックを置いて作業する際には,マウスポインターをそれぞれの位置に持っていけば、自動的に切り替えられるのだ。

この機能に慣れると非常に便利だ。特に複数のパソコンを置いて作業しているときに役立つ。デバイスの垣根を越えたコピーアンドペーストまで、できてしまうのだ。上記の例なら、ウィンドウズでコピーしたテキストなどをマックで作業中のファイルに貼り付けられる。もちろん、ウィンドウズ同士でもOKだ。

これだけの機能を持っているなら、価格にも納得なはずだ。自宅作業をがんばっている自分へのプチプレゼントとしていかがだろうか。

戸田覚
 1963年生まれのビジネス書作家。著書は150点以上に上る。パソコンなどのデジタル製品にも造詣が深く、多数の連載記事も持つ。ユーザー視点の辛口評価が好評。

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