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サプリ用ミドリムシ、神鋼系が増産 タンク技術生かす

NIKKEI BUSINESS DAILY 日経産業新聞

神鋼環境ソリューションはミドリムシ事業の拡大に乗り出す。6月には一般消費者向けに機能性表示食品のサプリメントの販売を開始。神戸製鋼所の子会社で廃棄物処理関連などが主要事業だが、競争の激化など市場環境が厳しさを増す中、事業の多角化を本格化する。健康食品は需要が拡大しており、まずは初年度に同製品で2億円の販売を目指す計画だ。

発売したのはミドリムシ加工サプリメント「ミカレアのパラミロン」。3月、消費者庁に機能性表示食品として届け出た。同社はこれまでもミドリムシの栄養食品を販売してきたが、機能性表示食品としては今回は初めてだ。販売子会社のミカレア(神戸市)が運営するネット通販で、1箱(1カ月分)税別5400円で販売する。

ミドリムシを原料とした食品の開発・販売ではユーグレナが先行し、知名度も高い。

一方、神鋼環境ソリューションでも環境事業の一環としてバイオ燃料や食品利用で研究開発を進めた。2012年に筑波大学との共同研究でミドリムシ「EOD-1株」を発見した。ミドリムシ特有の食物繊維で、健康食品の栄養素になる「パラミロン」を多く含有していることが特長だ。ミカレアの大谷和由社長は「代表的なミドリムシ『Z株』の5~7倍のパラミロンを含んでいる」と話す。

光を用いずタンクで培養

約8年をかけた研究でミドリムシの量産技術も確立した。培養では、光を用いずに自社製の醸造用タンクを用いる。同社はタンク製造を手掛け、酵母を均一にかき混ぜる撹拌(かくはん)の技術を持つ。細胞壁がないミドリムシを壊さずに酸素を行き渡らせる工程に生かしている。

ミドリムシは屋外のため池で光合成させて培養するのが主流だ。だが、微生物などの不純物の混入や気候変動の影響で品質が安定しにくく、広大な敷地も必要なためコストもかさむ。醸造用タンクで屋外の池に比べ、省スペースで安定した培養を可能にした。

これまで「神戸ユーグレナ」というブランドで食品メーカー向けに原料として販売してきた。今回のサプリメントは機能性表示食品として一般消費者に訴求する。同社の現在のミドリムシの生産能力は年間数十トン。サプリメントは10トンあたり約62万5000箱製造できるという。

神鋼環境ソリューションは廃棄物処理や水処理に関連した事業が主力。近年は人口減や上水・下水施設の普及などから新しい施設の建設が減り、他社との競合が激しくなっている。一般消費者向けの事業を強化する背景には、将来の成長に向けて事業の裾野を広げる狙いがある。16年度からの5カ年の中期経営計画でも藻類事業の推進を掲げている。

(企業報道部 永森拓馬)

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