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「民主主義の闘い、終わらず」 独大統領、統一30年で

ドイツ統一30年で演説するシュタインマイヤー独大統領=ロイター

【ベルリン=石川潤】冷戦の終わりを象徴するドイツ再統一から30年となる3日、シュタインマイヤー独大統領がポツダム市内で開かれた式典で演説し「自由と民主主義のための闘いは終わっていない」と語った。ポピュリズム(大衆迎合)が広がり、自国第一主義が世界を不安定にする中、ベルリンの壁が崩れた1989年の精神に立ち返るように呼びかけた。

「我々すべてが人民だ」。シュタインマイヤー大統領が求めたのは、出身や宗教の違いを越えた市民の団結だ。「我々こそが人民だ」という30年前の民主化のスローガンが、分断をあおる言葉として極右に悪用されていることを踏まえ、平和的な共存を訴えた。

シュタインマイヤー大統領は「我々の統一は自由と多様性のもとでの統一だ」とも語った。「民族的な自己陶酔ではなく(自由と協調を重んじる)欧州的なドイツを選択した」と指摘。8月末に国会議事堂への侵入を試み、帝国時代の旗を振りかざした極右勢力を改めて批判した。

統一から30年たつが、旧東ドイツの1人当たり国内総生産(GDP)が旧西ドイツの4分の3にとどまるなど、格差は依然として大きい。大統領は「疑いなく、変革は西側よりも東側の人々にとってずっと厳しいものになり、今日まで傷痕を残している」と語った。

さらに大統領は「多くの不利益がどれだけ長く続くか、我々は過小評価していた」と認めた。このまま問題を解決できなければ「団結が失われ、政治不信が高まり、ポピュリズムの温床が広がる」と警鐘を鳴らした。

足元では新型コロナや気候変動、米欧の同盟の弱体化、世界の不安定化などの問題が山積している。シュタインマイヤー大統領は「この30年当たり前だったことが、そうでなくなっている」と危機感をみせた。演説の終盤では「30年前のような勇気が今、求められている」と呼びかけた。

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