学術会議、6人任命の要望書 首相に説明求める
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日本学術会議(梶田隆章会長)は3日、新会員候補6人の任命を拒否した菅義偉首相に対し、理由の説明と6人の任命を求める要望書を幹事会で決定し、内閣府に送付した。梶田氏は幹事会後、記者団に「質問して、しっかり理由を理解したい」と述べた。
菅首相宛ての要望書は、学術会議が推薦した会員候補者が任命されない理由の説明と、任命されていない人の速やかな任命を求めている。
会員の法学者でつくる法学委員会は3日の会合で「日本学術会議法上、首相には会員を選考、罷免する権限はない」との考えで一致。違法で即時に是正すべきだとして、法的な論点を整理し、公表することを決めた。
学術会議は8月31日に新会員候補105人を推薦。首相は、安全保障関連法などに反対した法学者ら6人の任命を見送り、99人が10月1日に新会員に任命された。
加藤勝信官房長官は2日の記者会見で、改めて6人を任命する考えはないと明言。「学問の自由の侵害だ」との批判の声が上がっている。
東京大教授の梶田氏は素粒子ニュートリノが質量を持つことを示す「ニュートリノ振動」と呼ばれる現象を発見した功績で2015年にノーベル物理学賞を受賞。任期満了に伴う前任者の退任で、1日、新会長に選出された。〔共同〕