中東、コロナで制限再び 経済再開に懸念

2020/10/2 22:25
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イスラエルのロックダウンは2回目(エルサレムで検問する警官)=ロイター

イスラエルのロックダウンは2回目(エルサレムで検問する警官)=ロイター

【カイロ=久門武史】中東で新型コロナウイルスの感染対策を強める国が相次いでいる。イスラエルは再度のロックダウン(都市封鎖)をさらに強化し、ヨルダンは20人以上の集会を禁じた。観光業への依存度が高いエジプトもすべての入国者にPCR検査を義務付けた。感染急増への懸念が高まり、経済活動の再開が遅れる可能性がある。

イスラエルは9月25日、18日に始めたばかりの2度目のロックダウンを強めた。食料品など必須の業種を除く職場と市場を閉鎖し、経済活動を大幅に制限した。ネタニヤフ首相は「直ちに対応しなければ崖っぷちに立たされる」と強調した。財務省のチーフエコノミストはロックダウンの経済への影響が350億シェケル(約1兆700億円)に達する可能性を指摘する。

イスラエル国会は9月末、デモ活動を制限する法案を可決した。外出を自宅から原則1キロメートル以内に限るとした規制をデモにも適用する。政府の新型コロナ対策などへの抗議でネタニヤフ氏の退陣を求めるデモに影響し、批判の声が上がる。

ヨルダンは結婚式を含めて20人以上の集会を禁止した。違反者には3月~1年の禁錮、もしくは千~3千ヨルダンディナール(約15万~約44万円)の罰金が科せられるという。

両国とも初期段階では水際対策が評価されたが、最近は感染者が急増している。イスラエルは1日当たりの新規感染者が約9千人に達する日もあり、人口比では世界最悪の水準とみられる。ヨルダンも8月まで多くても数十人だったが9月は連日、数百人に達した。

行動制限の強化には至らないものの、警戒を強める国は多い。エジプトは7月に国際線の運航を再開して観光客の受け入れにカジを切ったが、9月からすべての入国者にPCR検査の陰性証明を義務付けた。観光業は外貨獲得の柱のため、国際線を再び止めたくはない苦しい事情がある。

アラブ首長国連邦(UAE)も入国前のPCR検査で陰性証明を義務付けている。エミレーツ航空は徐々に路線を再開しているが完全復旧には程遠い。英調査会社IHSマークイットによると、UAEの非石油部門の購買担当者景気指数(PMI)は8月、節目の50を再び割り込んだ。同社のデービッド・オーエン氏は「企業活動は上向くと予測されているが、かりそめのものだ」とみる。

トルコではコジャ保健相が9月末日の記者会見で、政府発表の新型コロナの感染者数に無症状の人は含んでいないと明らかにした。最近は1日当たりの新規感染者が千数百人との発表が続くが、症状のない感染者を合わせればさらに多いことになる。

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