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アルメニア、交渉の用意 アゼルバイジャンとの戦闘で

アゼルバイジャンのナゴルノカラバフ地域から砲撃するアルメニア軍の兵士=アルメニア国防省・AP

【モスクワ=小川知世】アルメニア外務省は2日、同国系住民がアゼルバイジャンからの独立を主張するナゴルノカラバフ地域で続く両軍の戦闘を巡り、即時停戦を求めたロシア、米国、フランスと協力する用意があると発表した。緊張緩和に取り組む姿勢を示したが、アゼルバイジャン側が応じるかは不透明だ。

アルメニアはこれまでアゼルバイジャンの攻撃が続く間は停戦に向けた交渉の開始は難しいとの考えを示していた。軍事同盟を結ぶロシアの呼び掛けに応じて態度を軟化させた。対するアゼルバイジャンはアルメニア側が同地域の支配を主張する限り、対話に否定的な立場を崩していない。

ナゴルノカラバフでは9月27日から戦闘が続き、双方の死者は約200人に上る。同地域の紛争で1994年の停戦後、最大の衝突になった。紛争解決に向けた欧州安保協力機構(OSCE)の枠組みで議長国を務める米仏ロ首脳は1日、双方に停戦と前提条件なしでの和平交渉の再開を求める共同声明を出した。

アルメニア外務省は声明で、米仏ロが同地域での武力行使を非難したことを歓迎した。アゼルバイジャンと同国を支持するトルコによる「侵略的行為」が緊張を激化させていると批判。米仏ロの調停のもと、停戦交渉に応じる構えを示した。

停戦交渉入りにはトルコの動きが焦点となりそうだ。同国のエルドアン大統領は1日、「まずアルメニアにナゴルノカラバフの占領をやめさせるべきだ」と述べ、OSCEの停戦要求は受け入れられないと批判した。

トルコによるアゼルバイジャンへの軍事支援が戦闘を激化させているとの疑いもくすぶる。フランス大統領府によると、仏ロ首脳は9月30日の電話協議で「トルコがシリアから雇い兵を送り込んでいる」として懸念を共有した。トルコ側は紛争介入を否定し、OSCE議長国の米仏ロが和平への責任を果たしてこなかったと反発している。

ロシアは旧ソ連のアルメニアとアゼルバイジャン両国との関係を維持したい考えだ。緊張激化に歯止めをかけようと、トルコとの調整も探っている。ロシア外務省によると、ラブロフ外相は1日、トルコ外相と電話協議し、緊張緩和へ連携を確認した。米仏ロの共同声明について説明し、協力を促したとみられる。

アルメニアとアゼルバイジャンはソ連末期からナゴルノカラバフの帰属を巡り激しく対立してきた。94年の停戦後も衝突を繰り返し、OSCEの仲介でも和平協議は進んでこなかった。仮に交渉にこぎ着けても、双方が歩み寄る可能性は低く、長期的な緊張緩和につながるかは見通せない。

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