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雇用調整、非正規で本格化 8月は120万人減

職探しをする人は増えているが、企業は新規採用に慎重だ

企業業績の悪化を受け非正規労働者の雇用調整が本格化してきた。総務省が2日発表した8月の労働力調査によると、非正規の雇用者数は前年同月から120万人減り、完全失業率(季節調整済み)は3.0%まで高まった。サービス業のほか製造業でも就業者の減少が目立つ。経済活動の再開で職探しをする人は増えているが、企業はなお新規採用に慎重だ。

非正規の雇用者数は6カ月連続で前年を下回った。正規の雇用者数は前年同月から38万人増と、IT(情報技術)や介護など人手不足の業界を中心に一定程度、増やす傾向が続いているのに対し、非正規は減少が続く。

特に新型コロナウイルス感染症の影響が直撃した飲食や宿泊業はパートやアルバイトの比率が高く、従業員の削減が加速している。厚生労働省によるとコロナ関連の解雇・雇い止めは9月23日時点で6万人を超えた。

ジョイフルは8月、ファミリーレストラン「ジョイフル」の直営店を23店閉めた。今期は100店程度の閉鎖を計画し、24時間営業の店舗も縮小する方針だ。ラーメン店「日高屋」を運営するハイデイ日高では8月、給与を支払ったアルバイト数が前年同月比で9%減った。深夜帯の来店が減り、学生アルバイトのシフトを見直している。

製造業は就業者が全体で前年同月から52万人減った。自動車は生産が回復し、大手は期間従業員の新規採用を再開している。しかし下請けの中小企業は厳しい。ある部品メーカーは「従業員が退職しても新規採用はせず、工程の見直しなどで対応している」と話す。

東京都内の金型メーカーの経営者は「業況は非常に悪い。政府の支援金が終わる年末にかけて廃業はもっと増える」と話す。倒産や廃業は失業者の増加につながる。

見通しも不透明感がただよう。パナソニックが2021年9月の閉鎖を決めた岡山工場(岡山市)では130人強の派遣社員が働く。正社員約300人は他の拠点で受け入れる方針だが、契約社員は期間満了後に「派遣元と調整していく」(関係者)とする。

8月の国内全体の完全失業率(季節調整済み)は3.0%と前月より0.1ポイント上昇した。悪化は2カ月連続で2017年5月以来、3年3カ月ぶりに3%台に乗せた。失業者は前月から9万人増え、このうち勤め先の都合などによる非自発的な離職が3万人増となった。新たに求職した人も4万人増えた。

厚労省が2日発表した8月の一般職業紹介状況では求人数が前月比で0.9%増加したが、求職者数が4.7%増と上回っている。コロナ禍でいったん労働市場から退出した人たちが徐々に戻ろうとしても、求人数がおいつかない状況だ。

ITなどでは雇用を増やす企業もある。GMOインターネットはプロバイダー事業で顧客対応の拠点を仙台に新設し、21年3月には派遣社員など現地採用を中心に100人体制にする。新興企業でも人材需要があり、分散型台帳(ブロックチェーン)技術のLayerX(レイヤーX、東京・中央)は今年に入ってエンジニアと事業開発で計10人超を採用した。

ただ、こうした動きだけで全体を底上げするには力不足だ。みずほ総合研究所の嶋中由理子氏は「労働市場から退出していた人の労働参加が今後も進むとみられる」とした上で「求人と求職のミスマッチがあり、9月以降の失業率はやや上昇するだろう」と予想する。

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