英アストラゼネカのワクチン、国内で治験再開

英製薬大手アストラゼネカの日本法人は2日、開発中の新型コロナウイルスワクチンについて、日本で臨床試験(治験)を再開したと発表した。アストラゼネカは英国で被験者に副作用が疑われる症状が出たことを受け、9月上旬から治験を中断していた。
9月中旬以降に各国当局がアストラゼネカの治験再開を認め、英国のほかにブラジル、南アフリカ、インドでも治験が再開している。日本では審査機関である独立行政法人医薬品医療機器総合機構との協議の結果、被験者の安全性に配慮した形で再開することが可能と判断した。
日本での第1相・第2相治験の対象は18歳以上の被験者約250人で、複数施設で実施する。
アストラゼネカはこれまでに日本政府と1億2千万回分のワクチンを供給することで基本合意している。そのうち3000万回分は21年3月までに供給できるとの見通しを掲げていた。今回の治験の中断は国内のワクチン供給計画に影響しないとしている。