政府、任命見送り見直さず 学術会議人事、野党は反発

2020/10/2 15:45
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加藤勝信官房長官は2日の記者会見で、菅義偉首相が日本学術会議の推薦した会員候補6人の任命を見送ったことに関し見直す考えがないとの立場を表明した。「任命権者である首相が日本学術会議法に基づき任命した。そうした説明を引き続きしていく」と述べた。

学者の研究活動の萎縮にはつながらないとの認識も示した。「憲法に書いてある学問の自由はしっかり保証しなければならない」と指摘した。

立憲民主党など野党は2日のヒアリングで内閣府などの担当者を呼び、任命を見送った理由などを聞いた。「学術会議への不当な介入で、学問の自由への侵害だ」などと批判した。

日本学術会議法では「会員は同会議の推薦に基づいて首相が任命する」と記す。1983年の国会では政府側が「実質的に首相の任命で会員の任命を左右することは考えていない」とも答弁している。

野党は国会答弁との整合性をただした。内閣法制局の担当者は「解釈変更ではない」と強調した。

ヒアリングには任命を見送られた6人の学者のうち3人が参加した。松宮孝明・立命館大教授(刑事法学)は「学術会議が推薦した会員を拒否するのは会議の独立性を侵すと考えるべきだ」と指摘した。

岡田正則早大教授(行政法学)は「今後の学術に大きなゆがみをもたらす」と主張。小沢隆一東京慈恵医大教授(憲法学)は「学問の自由への大きな侵害だ」と政府を非難した。

3氏は過去に政府方針に異論を唱えていた。松宮氏は2017年、国会で共謀罪の趣旨を盛り込んだ改正組織犯罪処罰法への反対意見を表明。岡田、小沢両氏は安全保障関連法に反対の意見を述べていた。

自民党の世耕弘成参院幹事長は2日の記者会見で「政府と学術会議が丁寧にコミュニケーションをとるのが重要だ」と話した。公明党の山口那津男代表は「任命権者として国民に分かりやすい対応を取っていくことが大切だ」と注文した。

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