投資家「乱高下なくてよかった」 東証で売買再開
(更新)

東京証券取引所がシステム障害で1日に終日停止した株式全銘柄の売買を再開した2日、個人投資家からは「株価が気になっていたが、乱高下していなくてよかった」「海外からの信用がなくなると困る」と安堵や懸念の声が上がった。
JR東京駅近くの証券会社の電子ボードには、通常通りの取引が始まった午前9時ごろ、株の銘柄にそれぞれ株価が表示された。飲食関係の株を持つという千葉県大網白里市の男性会社員(52)は「終日取引が停止になって株価がどうなるか気になっていたが、乱高下していなくてよかった」とほっとした様子。
自動車メーカーなどの株を保有する大学教員の男性(65)=京都市=は「海外からの信用がなくなってしまうと困る。二度とこのようなことが起こらないようきちんとしたバックアップを整えてほしい」と注文した。
名古屋市の名古屋証券取引所前でも、立ち止まって電子ボードを眺める人の姿が散見された。近くの会社に勤務する愛知県東海市の会社員、伊東哲朗さん(62)は「どこに責任があるのか、原因を突き止めてほしい。トラブルの際、しっかり機能する第2、第3の安全弁が必要ではないか」と指摘した。
福岡市中央区の証券会社前。30年以上株の売買をし、毎日株価を確認しているという同市の投資家、亀井朗さん(66)は電子ボードを見ながら「昨日の株価との比較を示すプラス値やマイナス値が表記されておらず違和感がある。それでも平穏な日常に戻りほっとした」と話した。同市の80代の男性投資家は「昨日はニュースを見て驚いた。同じ事が起きないよう対策してほしい」と淡々と語った。
〔共同〕