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四国の景況感、悪化に歯止め 9月短観 製造業改善

小豆島の来島者数は前年の半分まで戻ってきた

新型コロナウイルスの影響で急激に悪化した四国の景況感に歯止めが掛かった。日銀が1日発表した9月の企業短期経済観測調査(短観)では、企業の景況感を示す業況判断指数(DI)が全産業で前回6月調査から横ばいのマイナス22となった。製造業で改善が見られる一方、景況感は低水準にとどまっており、下振れするリスクも残っている。

業況判断DIは、景況感が「良い」と答えた企業の割合から「悪い」と答えた企業の割合を差し引いた値。調査の回答期間は8月27日~9月30日で、9月2週目までに大半が回答した。

製造業は3ポイント改善してマイナス19となった。紙管製造の高津紙器(愛媛県四国中央市)では、不織布や食品包装フィルムのロール芯など紙管事業で「コロナ特需」もあり堅調に推移。しかし、紙器事業は航空会社向けの需要がほぼゼロになるなど、前年比2割程度落ち込んだ。

この苦境下で新型コロナ対策のフェースシールドなど新分野に商品を投入したことなどにより、2020年9月期は増収増益を確保した。高津俊一郎社長は「航空会社向けなど失われた需要はすぐには戻らない。コロナ関連商品で開拓した病院やホームセンターなどの取引先をターゲットに、時代の変化に合わせた商品開発を進めたい」と話している。

発光ダイオード(LED)国内大手の日亜化学工業(徳島県阿南市)では車載用LEDの中国、米国向けが大きく落ち込んでいるが、「新型コロナの影響は一段落し、市場環境は徐々に改善する」と予想する。今後は「在宅勤務や巣ごもり需要、殺菌用途などLEDの新たな需要をとらえた事業を拡大させる」と、新型コロナによる市場の変化に対応した戦略を打ち出している。

非製造業は横ばいのマイナス22。政府の国内旅行喚起策「Go To トラベル」などによって客足が少しずつ戻っていて、宿泊・飲食サービスでは景況感が改善した。土産物需要が製造業の食料品改善にも影響した。

オリーブの島として知られる香川県の小豆島では推定来島者数が8月に約6万7000人、前年同月比52%だった。新型コロナの影響が最も大きかった5月の約2万5000人(同21%)から徐々に回復しつつあるが、前年の5割を超えた程度で観光が島の主要産業であることを踏まえると厳しい状況が続いている。

高知市内の老舗旅館、城西館は9月のシルバーウイークの4連休中、満室だった。足元の宿泊は春先に比べて戻りつつあり、県外からの利用が増え「人の流れが変わってきた」(宿泊営業部)。秋の行楽シーズンでさらなる集客が期待されるが「予約とキャンセルが交互に入っており、にぎわうかどうかは分からない」(同)としており、先行きは依然不透明だ。

12月の景況感は全産業でマイナス27と悪化を見込んでいる。日銀高松支店の小牧義弘支店長は「景況感が下げ止まった中で、企業はまだ下振れリスクを意識している状況だ」と述べた。

20年度の設備投資計画は全産業で19年度比5.1%の増加。将来の競争力確保に向けた投資が計画されている一方、不要不急の投資を控える動きも見られている。

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