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大阪港湾局が発足、集荷拡大へ府市統合 各港強み生かす

大阪港湾局は府内の港湾を一元管理する(大阪港)

大阪府と大阪市の港湾局が1日統合し大阪港湾局が発足した。大阪市の大阪港と府営港湾(堺泉北港など8港)の管理業務を一元化する。それぞれの港湾管理者自体はこれまでと変わらないが、互いの顧客情報を共有し需要を把握、港ごとの強みを生かした集荷を進める。東アジア港湾の台頭により存在感が低下するなかで巻き返しを図る。

大阪港湾局長には前市港湾局長の田中利光氏が就任した。松井一郎市長から同日辞令を受けた田中局長は「ポートセールスのターゲットは大阪府域だけでなく関西もある。府市が一緒に広域行政ができるのは意義がある」と述べた。

新体制は府港湾局(167人)と市港湾局(516人)を合わせた約680人。本局は旧市港湾局が入居していたATCビル(大阪市)に置き、府港湾局の振興部門などの一部人員が移る。

府市が連携して海外バイヤーとの商談会や食の輸出セミナーを開催する。貨物誘致や航路開設などに対するインセンティブを検討する。阪神高速の大和川線が今年全線開通したことも踏まえ、奈良や三重方面での集荷営業を強化する。

大阪港はコンテナ主体、府営港湾の堺泉北港は原油や液化天然ガス(LNG)などエネルギー関連や中古車が多い。港湾局は大阪港でコンテナを降ろして空にして、堺泉北港から中古車輸出をするなど強みを生かした提案ができるとみる。

国土交通省の資料によると、2018年の大阪港の取扱量は世界77位。東京港(27位)や神戸港(64位)より下位だ。外貿コンテナ取扱量を20年代後半に277万TEU(TEUは20フィートコンテナ換算)と、19年に比べ約3割増やす目標だ。

府市は二重行政の解消を目指し組織改革を続けてきた。府市が共同で運営する大阪府市統合本部が11年に発足した。

港湾管理の一元化は統合本部で12年に基本的な方向性が出された。府市は14年以降、議会に統合のための関連議案を3度提案したが否決されたり取り下げたりした。このため事務の一元化を優先し、最終的な意思決定は知事や市長がする議案を19年に提示し可決した。

松井市長から辞令を受け取る田中局長(右)(1日、大阪市)

大阪港湾局の発足後も大阪港は市、府営港湾は府が法的な管理者という位置づけは変わらない。港湾管理のあり方を巡り知事と市長の考えが異なれば、事務執行に影響が出る可能性は残る。

一元化しても、国内外の港湾がしのぎを削るなか集荷拡大は簡単ではない。新型コロナウイルスの影響で営業活動も難しくなっている。14年には神戸港と大阪港のふ頭会社が統合し、阪神国際港湾が発足した。府市は将来的に神戸港などを含めた大阪湾内の港の一元管理も目指すとしている。ただ神戸市は具体的なメリットが乏しいとして協議に慎重な姿勢だ。

(皆上晃一)

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