中部の製造業、7期ぶり改善、9月短観 車生産がけん引

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2020/10/1 19:00
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日銀名古屋支店が1日発表した愛知、岐阜、三重県の9月の企業短期経済観測調査(短観)は、製造業の景況感を示す業況判断DIがマイナス45と、6月の前回調査から7ポイント上昇した。車の生産増が寄与し改善は2018年12月の調査以来、7期ぶり。非製造業は新型コロナウイルス下の地価下落や消費不振を受け小幅に悪化。中部の景気はまだらもようとなっている。

中部では非製造業の景況が全国より悪い

中部では非製造業の景況が全国より悪い

DIは景況が「良い」と答えた企業の割合から「悪い」の割合を引いた値。8月27日~9月30日に調査し、682社から回答を得た。

製造業の中でも改善が目立つのが自動車だ。9月はマイナス62と、24ポイント改善した。トヨタ自動車の9月の国内生産はコロナの感染拡大前に策定した計画より1%増と、当初計画を初めて上回る見通しだ。中国や米国向けの輸出が伸びるため。トヨタの生産増が部品や素材メーカーに波及する好循環が出始めている。

3カ月先の先行きDIをみると、車は一段の上昇を見込む。新型コロナの感染初期は車の落ち込みが景況の悪化につながったが、各社が前倒しで生産を調整した効果もあり戻りも速い。製造業全体の先行きDIはマイナス34と11ポイント改善する。

一方、非製造業の景況はさえない。9月のDIは小幅に悪化した。全国の非製造業DIは改善しており、中部は出遅れた。特に不動産や建設で悪化が目立つ。直近の地価調査(7月1日時点)では、名古屋市中心部の栄3丁目の地価が1割近く下がるなど、内需は急速に冷え込んでいる。飲食、小売りは出店を手控え建設の需要に影を落とす。

映画館やカラオケ、フィットネスクラブなどをまとめた対個人サービスは、マイナス76で横ばいだった。前回調査では先行きを改善とみていたが、「感染拡大を避けようと個人は慎重姿勢を崩していない」(日銀名古屋支店)という。

宿泊・飲食サービスのDIは足元で改善したが、先行きは悪化する。1日から国内旅行の需要喚起策「Go To トラベル」で東京発着が対象になった。中部のホテルや旅館から期待の声があがる一方、「人気のある施設に客が集中している」と波及効果に慎重な見方もある。

日銀名古屋支店は「(対面サービスが多い)非製造業ではコロナの影響が重い。製造業に比べて景況の改善が遅れる状況は続く」とみる。

(湯浅兼輔)

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