新潟・長野の景況、悪化に歯止め、日銀短観9月

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2020/10/1 19:10
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自粛で低調だった観光需要にも回復の兆し(9月、長野県小谷村の登山客)

自粛で低調だった観光需要にも回復の兆し(9月、長野県小谷村の登山客)

日銀の新潟、松本両支店が1日発表した9月の企業短期経済観測調査(短観)によると、企業の景況感を示す全産業の業況判断DIは両県ともにやや改善した。新型コロナウイルスで大幅なマイナスが続くが、自動車などの生産回復や宿泊・飲食業への支援策などで悪化に歯止めがかかった。

調査は8月27日~9月30日に実施。対象は新潟が275社、長野は241社で回答率は両県とも100%だった。業況判断DIは景況が「良い」と答えた企業の割合から「悪い」と答えた企業の割合を引いた値。

全産業の業況判断DIは新潟がマイナス31と前回の6月調査に比べて7ポイント改善した。松本支店がまとめた長野県のDIもマイナス44と同3ポイント上昇した。しかし、いずれも大幅なマイナスに変わりはなく、「企業の景況感は横ばい圏内の動きとなっている」(松本支店)。

3カ月後の先行き見通しDIは新潟が今回より8ポイント悪化のマイナス39、長野もマイナス41と3ポイントの改善にとどまる。新潟に多い食料品製造業などはマイナス7と25ポイント悪化を見込む。新潟支店の佐久田健司支店長は「外出自粛による需要増などが一巡することなどが大きい」とみる。

9月のDIを業種別に見ると非製造業は新潟が9ポイント改善のマイナス22、長野は6ポイント上昇のマイナス34だった。新型コロナによる外出や旅行の自粛で客数が大幅に減った宿泊・飲食サービスはやや改善した。6月調査では両県ともマイナス100と回答企業すべてが「悪い」と答えたが、今回は新潟がマイナス91、長野はマイナス78となった。

前回調査時点に比べて自粛ムードが変化しており、政府や自治体による観光支援事業などの影響も出ていると見られる。ただ、両県ともに先行きDIは横ばいで、慎重な見方が残る。

製造業は新潟が7ポイント改善のマイナス39、長野は1ポイント悪化のマイナス54だった。自動車関連では長野の輸送用機械がマイナス64と27ポイント改善した。完成車メーカーの生産回復の影響が自動車部品メーカーに及んでおり、先行きもマイナス27と引き続き上昇する。

長野では設備投資が大幅に増加。20年度計画は前年度比19.2%増と前回調査より14.6ポイント上方修正した。データセンター向けなどで半導体関連が能力増強に動くほか、自動車関連でも省力化に向けた大型投資などが計画されているという。

今回の短観の結果などを踏まえ、新潟支店は10月の県内経済の基調判断を「新型肺炎の影響から引き続き厳しい状態にあるが持ち直しの動きがみられる」と、9月判断から引き上げた。「大幅に減少している」としていた輸出や生産の判断も「下げ止まっている」に変更した。

佐久田支店長は県内経済の状況について「水準としてはなお低いが、少なくとも春先の極端な落ち込みからは脱していると言える」と話した。

一方、松本支店は「厳しい状況が続いている」として前月と判断を据え置いた。和田健治支店長は「宿泊・飲食サービスなどでは9月の連休以降は県外客などが増え、回復に手応えを感じているという声も多い」と強調。設備投資の増加もあり、長野県経済が持ち直す可能性は高いとみる。

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