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静岡県内景況感が改善 収益悪化も製造業に回復の兆し

経済活動の停止や外出自粛の影響が緩和し、景気回復への兆しがみえてきた(1日、静岡市中心部)

日銀静岡支店が1日発表した静岡県の9月の企業短期経済観測調査(短観)は、企業の景況感を示す業況判断指数(DI)がマイナス33だった。前回調査と比べて11ポイント上昇したが、依然厳しい状況だ。米中貿易摩擦から続く企業収益の悪化がコロナ禍で増幅し、企業の体力を奪う一方、製造業では国内外の需要に回復の兆しも見られる。

業況判断DIは景況感が「良い」と答えた企業の割合から「悪い」と回答した企業の割合を差し引いた値。8月27日から9月30日、273社を対象に調査し、271社から回答を得た。

製造業のDIは13ポイント改善のマイナス43、非製造業のDIは7ポイント改善のマイナス24だった。野見山浩平支店長は「最悪期は脱したとみられるが、本格回復とは言えない状況だ」と述べた。

製造業は電気機械や輸送用機械でDIが改善した。ヤマハ発動機では日米欧向け二輪車出荷が6月に前年同月比26%増えた。「二輪などの趣味商材はロックダウン(都市封鎖)解除後、我慢していた消費を再開する『リベンジ消費』により6月までに急回復した」(日高祥博社長)。中国向け二輪も「中国経済の回復により対前年でプラスに転じている」(同)。

ヤマハは主力市場の中国でのピアノの販売が「(先に回復した中・南部などの沿岸地域に加えて)華北地域でも回復してきている」(山畑聡取締役)という。

非製造業は、運輸・郵便や対個人サービス、物品賃貸や小売りが上昇した。静岡マルイ・モディ(静岡市)では「セールの売り上げが伸びなかった」(伊藤哲朗店長)と話すが、9月は前年比で客足が8割、売上高が7割まで回復したという。調査時点ではGotoキャンペーンの効果が表れず、宿泊・飲食サービスの業況判断DIは前回同様最悪の判断となるマイナス100だった。

20年度の設備投資(ソフトウェア・研究開発含む)は前年度比2.8%減を見込むが「アフターコロナに向けた投資は増えている」(日銀静岡支店)とみられる。

再生トイレ紙大手の丸富製紙(静岡県富士市)は、2~9月にかけてノートパソコン20台を購入。「対面ではなくオンライン商談を希望する顧客もいる」(総務部)と働き方の変化に合わせて、営業部員35人全員が1人1台を持ち働いているという。

今回調査で、企業の経常利益の20年度計画は前年度比マイナス60.4%まで落ち込んだ。野見山支店長は「企業収益の大幅な下方修正が一番のポイントだ」と語り、県内企業は米中貿易摩擦で18年度から企業収益が悪化している中で「コロナ禍でふるいにかけられている。設備投資の減少や所得の悪化につながりかねない」と懸念した。

20年12月の先行き業況判断DIは9月調査から1ポイント上昇のマイナス32と予測した。ファクトリーオートメーション(FA)大手、協立電機の西信之社長は「悪化に歯止めはかかりつつあるといっても、良くなっているという実感はない」と語る。先行きの不透明感は強いようだ。

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