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北陸景況感に底入れの兆し 9月短観、観光は連休好調

北陸企業の景況感に底入れの兆しが出ている。日銀金沢支店が1日発表した9月の企業短期経済観測調査(短観)で、北陸3県の非製造業の業況判断指数(DI)はマイナス29と前回の6月調査から3ポイント上昇した。北陸では新型コロナウイルスの感染拡大が落ち着きをみせており、小売りや観光などに客足が戻ってきた。製造業は業種によって改善度合いが異なる。

9月の4連休の近江町市場はにぎわっていた(金沢市)

全産業のDIはマイナス37と2ポイント上昇した。非製造業の業種別では小売りが14ポイント、宿泊・飲食サービスが27ポイントそれぞれ改善した。武田吉孝支店長は「非製造業は旅行促進関連の施策や外出自粛の緩和により改善した。ただ、全体としては厳しい状況が続いている」と指摘する。

「8月の売上高は前年同月比1割減。2019年は消費増税前の駆け込み需要があったため、例年並みとみている」。百貨店の大和香林坊店(金沢市)の担当者は語る。9月に全国の食品を集めた物産展を開催した。19年より10店減ったが、売り上げは同水準だった。遠出を控える時期が続いたため「物産展で現地の味を体験しようとするお客が増えたと感じる」。

時計やバッグなどの高額商品も売れている。首都圏のブランド店で購入していた消費者が、長距離移動を避けている可能性がある。一方で「新型コロナによる業績悪化は冬のボーナスなどに影響する。12月商戦は見通しにくい」と慎重な姿勢を崩さない。

食品スーパーのアルビスの8、9月の既存店売上高はいずれも前年同月比3%前後の増加になったもようだ。「北陸ではコロナ禍以前の生活に戻りつつあり、新型コロナの消費への影響も収まってきた」(同社)。Genky DrugStoresのドラッグストア「ゲンキー」の7~9月の既存店売上高も前年同期比11%増えた。

観光需要も回復傾向にある。金沢市の代表的な観光スポットである近江町市場。9月19~22日の4連休は飲食店などにカップルや家族連れらの行列ができていた。兼六園の来園者も20日が1万4537人などと、前年同時期の最多日(1万2415人)を上回った。

富山県氷見市にある旅館「うみあかり」は、9月の宿泊部門の収入が前年同月比20%伸びた。政府の旅行需要喚起策「Go To トラベル」事業や自治体の補助金を活用した宿泊客が増えた。ただ、団体客などの宴会の多くは中止となり、旅館全体の売上高は前年並みにとどまる。本格回復とはいえない。

製造業のDIはマイナス47と1ポイント低下した。業種別にみると電気機械と金属製品がそれぞれ13ポイント改善した。輸送用機械はマイナス100と40ポイント、繊維は16ポイントそれぞれ悪化するなど景況感の変化はまばらだ。

電源装置のコーセルは次世代通信規格「5G」関連機器向けの受注を伸ばしている。日本や欧米では苦戦しているものの「中国では前年を上回っている」(同社)。20年6~8月期の連結売上高は前年同期比17%増の67億円だった。

セーレンは主力の車両資材の生産が7月以降、徐々に増えており、9月の売上高は前年実績を上回った。一方、アパレル向け繊維は大手ブランドの不調によって大幅減収の見通しだ。建設資材もオフィス需要の低迷などから振るわない。

新型コロナの終息時期が見通せないだけに企業の設備投資意欲は低下しており、生産設備の動きも鈍い。繊維機械の津田駒工業の担当者は「受注の戻りはまだ時間がかかりそう」と明かす。中部経済産業局の畠山一成局長は「電子部品から産業機械まで幅広い業種の集まる北陸では、(全体でみると)厳しい状況が続いている」と指摘する。

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