富士フイルム、コロナワクチン候補の製造受託

富士フイルムホールディングスは1日、米国系のバイオ企業VLPセラピューティクスジャパンから新型コロナウイルス感染症向けワクチン候補の製造を受託したと発表した。必要な量の薬物を必要な部位に送達する「ドラッグ・デリバリー・システム技術」を使い、原薬を加工してワクチンをつくる製剤工程を担当する。年内をメドに製剤プロセスの開発を始め、2021年度中に臨床試験(治験)用のワクチンを製造する計画だ。
VLPセラピューティクスジャパンの米国にある親会社は、「レプリコン」と呼ぶ自己増殖RNA(リボ核酸)を使うことで、少量接種でも高い効果があり、副作用リスクの低減や一部の遺伝子変異にも対応できる次世代ワクチンの研究を進めている。今後、国立国際医療研究センターや大分大学などと共同で臨床開発を進める予定。
富士フイルムは3月にドラッグ・デリバリー・システム技術に対応した装置を開発・製造するカナダ企業と提携した。子会社の富士フイルム富山化学の工場に装置を導入しており、VLPセラピューティクスジャパンの治験用ワクチンは同工場で製造する。
富士フイルムは米ノババックス、米トニックス・ファーマシューティカルズからも新型コロナ向けワクチンの製造を受託している。
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