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学術会議推薦者6人任命せず 政府、現制度下で初

(更新)
小沢隆一東京慈恵医大教授(中央)から会員候補任命問題について、要請書を受け取る日本学術会議の梶田隆章新会長(右)(1日午後、東京都港区)=共同

学術の立場から政策を提言する政府機関「日本学術会議」が推薦した新会員候補のうち、法律学者ら6人の任命を菅義偉首相が見送ったことが1日分かった。加藤勝信官房長官が記者会見で明らかにした。6人のうち1人は共謀罪の趣旨を盛り込んだ改正組織犯罪処罰法に反対していた。政府方針に異論を唱える学者を排除した形で、学問の自由に関する人事介入として波紋を広げる可能性がある。

現在の制度になった2004年度以降、推薦候補が任命されなかったのは初めて。

加藤氏は見送りの理由は明らかにしなかった。その上で「首相の下の行政機関である学術会議において、政府側が責任を持って(人事を)行うのは当然だ」と述べ、学問の自由の侵害には当たらないとの認識を示した。

一方、同日都内で開催された学術会議総会で新会長に選出されたノーベル物理学賞受賞者の梶田隆章東京大教授は、報道陣の取材に「極めて重要で、対処していく必要がある」とコメントした。

関係者によると、6人は松宮孝明立命館大教授(刑事法学)、小沢隆一東京慈恵医大教授(憲法学)、岡田正則早稲田大教授(行政法学)、宇野重規東京大教授(政治学)、加藤陽子東京大教授(歴史学)、芦名定道京都大教授(キリスト教学)。

松宮氏は17年、国会で共謀罪の趣旨を盛り込んだ改正組織犯罪処罰法への反対意見を表明。小沢氏も15年、国会で安保法制は違憲との意見を述べていた。

小沢氏と岡田氏は1日の総会で「任命拒否の撤回に向け総力で当たることを求めます」と題した要請書を梶田新会長に提出。松宮氏を含む3人が会員候補者として推薦されたのに任命が拒否されたことは承服できない上に、学術会議の存立を脅かし、学問の自由を侵害すると批判している。

学術会議法は会員を同会議の推薦に基づき、首相が任命すると規定。学術会議は8月31日に首相に推薦を行い、新会員が10月1日に任命された。

学術会議は日本の科学者を代表する組織で1949年、国の特別機関として設立された。政府から独立した立場で科学を行政や産業、国民生活に反映させることを目的に活動し政府に政策を提言している。210人の会員と約2千人の連携会員がいる。〔共同〕

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