Facebook、機能統合を加速 インスタの対話機能一本化

2020/10/1 10:58
保存
共有
印刷
その他

米フェイスブックは傘下のサービスの機能を統合する動きを加速している(カリフォルニア州メンロパーク市の本社)

米フェイスブックは傘下のサービスの機能を統合する動きを加速している(カリフォルニア州メンロパーク市の本社)

【シリコンバレー=奥平和行】米フェイスブックがグループ内のサービスの機能を統合する動きを加速させている。対話アプリ「メッセンジャー」と画像共有アプリ「インスタグラム」の対話機能を一本化すると30日に発表した。異なるアプリ間でメッセージのやりとりを可能にして利便性を高める狙いだが、同社の独占・寡占に対する警戒感が高まる恐れもある。

同日から一部の国でインスタグラムの対話機能を改良し、メッセンジャーの利用者とやり取りできるようにした。具体的な地域は明らかにしていないが、「近く世界に拡大する」としている。フェイスブックは2012年にインスタグラムの運営会社を買収したが、対話機能は別々で連携していなかった。

フェイスブックはSNS(交流サイト)の運営を主力としてきたが、19年に対話アプリを事業の中心に据えていく方針を示している。利用者の間でプライバシーへの意識が高まっていることを受け、マーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)は「私的なやり取りに使うプライバシー重視の基盤が必要」と説明した。

メッセンジャーとインスタグラムの対話機能の一本化は具体策の第1弾で、今後は別の対話アプリ「ワッツアップ」についても相互利用を可能にするとみられる。対話アプリでは「iメッセージ」を提供する米アップル、米グーグルなども開発を強化しており、グループ内の経営資源を有効活用して競争力を高める。

フェイスブックは電子商取引(EC)や仮想現実(VR)といった分野でもアプリやサービスを横断する形での機能提供を急いでいる。5月にフェイスブックとインスタグラムの共通サービスとして中小企業が手軽にネット通販を始められる「ショップス」を始め、8月にはVR関連の製品・サービスを提供する「オキュラス」とIDを一本化する方針を発表した。

米IT(情報技術)大手はM&A(合併・買収)を成長の手段と位置づけ、傘下に収めた企業の製品やサービスとの融合を進めてきた。グーグルが傘下の動画共有サービス「ユーチューブ」とIDを統合し、米マイクロソフトもネット通話サービス「スカイプ」との連携を深めたなどといった事例がある。

フェイスブックもこうした先例に倣った格好だが、事業を取り巻く環境には異なる点もある。利用者がプライバシー保護の意識を高め、個人情報が過度に集中することに対して神経質になっている。また、各国の独禁当局や議会などがIT大手の独占・寡占への警戒を強め、分割論が浮上しているのも大きな違いといえる。

米大統領選で民主党の候補だったエリザベス・ウォーレン上院議員が解体論を唱え、7月に米議会が開いた公聴会などではフェイスブックによるインスタグラムの運営会社の買収は「ライバル潰し」との批判を浴びた。米連邦取引委員会(FTC)も反トラスト法(独占禁止法)への抵触を調査しており、分割に逆行する統合は軌道修正を迫られる可能性もある。

保存
共有
印刷
その他

電子版トップ



[PR]