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宇宙・電子戦対応で組織改編 防衛省、21年度予算概算要求

防衛省は2021年度予算の概算要求で過去最大の5兆4898億円を計上した。宇宙やサイバー攻撃、電子戦など新領域に対応するため「宇宙作戦群」や「自衛隊サイバー防衛隊」「電子作戦隊」といった組織を新設する。新領域での攻撃能力を向上させる中国やロシアへの抑止力とする。

地上配備型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」の代替案は金額を示さずに予算を求める「事項要求」とした。

概算要求額は20年度当初予算比で3.3%増やした。要求通り20年度を上回れば、第2次安倍政権の発足直後に編成した13年度予算以降、9年連続の増加となる。

国内総生産(GDP)に占める防衛費の割合は19年度は0.9%で、21年度に増額しても1%前後にとどまるとみられる。エスパー米国防長官は同盟国に国防費をGDP比で2%まで高めるよう要求している。

防衛省が宇宙や電子戦といった新領域での技術開発や訓練、組織改編に重点的に予算配分する背景には、中ロが新領域での能力向上を進めていることがある。

日本はネット技術を駆使して情報システムを誤作動させたり、強力な電波でレーダーを妨害したりする攻撃を受ける恐れがある。新領域と陸海空で対応してきた従来領域を組み合わせた「ハイブリッド戦」への対処が急務になる。

宇宙関連は20年度予算から約200億円を積み増した。宇宙状況監視(SSA)に使う衛星やシステムの整備費を確保する。不審な衛星や宇宙ごみの動きを監視し、日本が情報収集などに使う衛星を守る。26年度予定の打ち上げに向けて衛星の設計に着手する。

電磁波を利用して電子機器や人工衛星の機能を妨害する「電子戦」への対処能力も高める。電波情報の収集装置を71億円で取得し、信号検出能力を向上させる新たな情報収集システムの研究も進める。

サイバー分野は前年度比で約100億円の増額を要求する。防衛省・自衛隊が所有する装備品がサイバー攻撃を受けても情報処理システムが動き続けるよう技術研究を新たに始める。自衛隊へのサイバー攻撃の手法を分析する装置も整備する。

効果的に対応するため組織も改編する。宇宙分野で作戦を指揮する「宇宙作戦群」や、朝霞駐屯地(東京・埼玉)に「電子作戦隊」をそれぞれ新設し、陸海空自衛隊による共同訓練を実施する。

サイバー攻撃への対処では既存のサイバー関連部隊の上部組織となる「自衛隊サイバー防衛隊」を新たに設ける。陸海空自衛隊がそれぞれに活動していたサイバー関連の要員を集約する。

戦闘機の整備では35年の配備をめざす次期戦闘機のエンジン設計に着手し、開発費を20年度当初予算比で約5倍にした。

合計147機の導入を計画する最新鋭ステルス戦闘機は21年度に「F35A」を4機、「F35B」を2機追加取得する。F35Bを安全に運用するため、同機を搭載する「いずも」型護衛艦の艦首の形を変更するための費用も要求した。

イージス・アショアの代替案を巡っては年内に具体的な方針を定める。洋上に置いた護衛艦や専用船舶などからミサイルを迎撃する案を検討する。地上に配備する予定だった装備品のシステム改修などで費用がかかる。

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