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凱旋門賞、見どころ多く 波乱の可能性も

史上初の凱旋門賞3勝目を目指すエネイブル。すでに6歳、力が衰えている可能性も=ロイター

欧州最高峰のレースのひとつ、凱旋門賞(G1、仏・パリロンシャン、芝2400メートル)が4日に行われる。新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、日本馬の出走は2019年から長期にわたって欧州滞在を続けるディアドラ(牝6、栗東・橋田満厩舎)1頭だけ。だが、17、18年のこのレースの覇者、エネイブル(牝6、英)が史上初の凱旋門賞3勝目を挙げられるかに注目が集まるほか、武豊が渡仏し、アイルランド馬のジャパン(牡4)に騎乗するなど、見どころは多い。

20年の凱旋門賞は例年通り、日本国内でも馬券を発売する。コロナの影響で日本馬の海外遠征が少なく、7月5日のエクリプスステークス(G1、英・サンダウン、芝約2000メートル、ディアドラが出走)以来、久々の海外競馬の馬券発売となる。

エネイブル1番人気

当初は、現時点での競走馬世界ランキング1位、ガイヤース(牡5、英)なども出走を予定し、欧州の一流馬が集結する豪華メンバーのレースになると期待された。ただ、同馬は他のレースに目標を変え、凱旋門賞を回避した。

1日には英国の大手ブックメーカー(賭け屋)各社が9月27日まで1番人気に評価していたラブ(牝3、アイルランド)が出走を取りやめた。

後続に大きな差をつける派手なレースぶりで英オークス(エプソム、芝約2400メートル)など、G1で3連勝中。実力は高く評価されていたが、現在、パリは雨が続いており、陣営が馬場悪化を嫌った。同馬は道悪での好走実績がない。管理するエイダン・オブライエン調教師も以前、「やや重くらいならこなせるが、不良馬場になると確信が持てない」とラブの馬場適性について語ったことがあり、直前での回避となった。

期待と比べると、役者がそろわなかった感もあるが、大きな注目点がある。史上初となる凱旋門賞3勝目がかかる、エネイブルのレースぶりだ。19年を最後に引退する計画も出たが、3連覇をかけた同年の凱旋門賞で2着に敗れ、現役を続行。20年も凱旋門賞制覇を目標に調整を続けてきた。

これまでG1で11勝。すでに歴史的な名馬といえる同馬の能力はいうまでもなく、今回のメンバーでも最上位だ。敗れた19年の凱旋門賞も展開の向いた勝ち馬に差されただけで、速いペースで先行し、いったん先頭に立った内容は負けて強しといえるものだった。

20年はここまで3戦2勝。初戦のエクリプスSでは逃げたガイヤースを捕まえられずに2着に敗れたが、7月25日の「キングジョージ」(G1、英・アスコット、芝約2400メートル)、前走のG3を圧勝して凱旋門賞に駒を進めてきた。ブックメーカー各社もエネイブルを単勝1番人気に評価しており、快挙への期待は高まる。

ただ、不安な点もある。エネイブルもすでに6歳。力が衰えている可能性も否定できないのだ。問題なのは20年のここまでのレースでは、同馬の現段階での正確な力量が測りづらいところだ。

エクリプスSの敗戦は、勝ち馬のガイヤースが得意の逃げ戦法で高い能力を十分に発揮したため、仕方のない面がある。エネイブル自身は仕上がり途上でもあった。

難しいのは勝った2つのレースの評価である。まず、キングジョージはわずか3頭立てだった。コロナの影響で、各国のダービーなどの日程が例年より遅くなり、キングジョージとの間隔が詰まったため、3歳馬が1頭も出走しなかった。圧勝したとはいえ、出走馬の質、量を考えると例年ほど高い評価はできないだろう。前走も手薄なG3で楽勝だったが、スタートで出遅れるなど、不安な面もみせた。過去3年のエネイブルほどは信頼できない印象だ。

日本馬の出走は欧州滞在中のディアドラ(中央)のみ=共同

もしエネイブルがこれまでのようなパフォーマンスを発揮できないとしたら、波乱の決着となる可能性もある。この1週間、現地での評価が上がっているのが欧州の長距離戦のチャンピオン、ストラディバリウス(牡6、英)だ。エネイブルと同じジョン・ゴスデン厩舎所属の同馬は、英国伝統の長距離G1、ゴールドカップ(アスコット、芝約4000メートル)を3連覇中。19、20年は重馬場での勝利だった。

前走、9月13日のG2、フォワ賞(仏・パリロンシャン、芝2400メートル)では2着に敗れたが、スローペースの決め手勝負となり、長距離型の同馬には不利だった。道悪で持久力勝負になれば浮上してきそうだ。

武豊騎手はアイルランド馬のジャパンに騎乗=共同

同じ日のパリ大賞(仏・パリロンシャン、芝2400メートル)から臨戦してくる馬にも楽しみがありそう。後方馬群からインコースを回ってうまく抜け出してきた勝ち馬のモーグル(牡3、アイルランド)より、馬群の外側を回ってしぶとく追い上げてきたインスウープ(同、仏)の方が面白いか。3歳牝馬のG1戦線で安定して走るラービアー(仏)や19年の仏ダービー馬、ソットサス(牡4、仏)も圏内だ。

筆者の予想は「◎ストラディバリウス、〇エネイブル、×インスウープ、注ラービアー、△モーグル、ソットサス」となる。

(関根慶太郎)

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