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米大統領選テレビ討論会、非難合戦 中断相次ぐ

トランプ氏、挽回へ焦り バイデン氏、準備入念に

(更新)

【ワシントン=中村亮】29日の米大統領選のテレビ討論会では両候補の非難合戦が激しくなり、論戦が相次いで中断した。共和党のトランプ大統領がヤジを入れる場面が目立ち、民主党のバイデン前副大統領に世論調査で劣勢に立つことへの焦りがにじんだ。

中西部オハイオ州クリーブランドの会場に登壇した両氏は握手をせず、すぐにそれぞれの演台についた。事前に決まっていた新型コロナウイルスの感染防止策の一環だが、両氏の対決姿勢がにじんだ。少し目が合うと短くあいさつを交わしただけで討論会が始まった。

先に攻めたのはトランプ氏だ。バイデン氏に対し「あなたは(政界入りしてから)47年間にわたって何もしなかったと人々は理解している」と主張。バイデン氏が造船や鉄鋼業をあげて米国での製造業復活を目指すと強調すると「なぜオバマ政権でそれをしなかったのか」と皮肉った。

バイデン氏は「あなたは米国史上最悪の大統領だ。この大統領のもとで米国は弱く、貧しく、分断が深まった」と難じた。トランプ氏は上院議員などを長く務めたバイデン氏の経歴を引き合いにこき下ろした。

トランプ氏がバイデン氏の息子がウクライナ企業幹部を務めて不正に利益をあげた疑惑があると主張すると、バイデンは話を遮って「信頼性がない」と繰り返し否定した。トランプ氏の発言が「ばかげている」という意味合いを込めて苦笑する場面も多かった。

両氏の非難の応酬が激しくなると、司会者のFOXニュースのクリス・ウォレス氏は「両候補ともやめてください」と制する場面が目立った。とくにヤジを繰り返すトランプ氏に対し「あなたの選挙陣営は両候補が2分ずつ話すルールに合意したんですよ」「あなたの方が議論を妨害する回数が多い」などと苦言を呈した。

バイデン氏は事前に用意したメモに目をやりながら統計を交えて雇用情勢や医療保険について説明したが、トランプ氏はバイデン氏が「極左勢力」の影響下にあるなどとレッテル貼りに終始した。トランプ氏は2016年の大統領選で公約した低所得者に医療保険加入を促す制度の改廃が実現していないとウォレス氏に指摘されると「そんなことを誰が言っているんだ」と不満をぶちまけた。

討論会の前にも両陣営は非難合戦を繰り広げた。トランプ陣営は29日の声明で、バイデン陣営が討論会中に複数回の休憩を求めたと主張した。バイデン氏が高齢で体力的に大統領の資質に見合わないと印象づける狙いとみられるが、バイデン陣営幹部は記者団に「完全にばかげている」と要請を否定した。

一方でバイデン陣営幹部は、トランプ陣営がコロナによる米国での死者数に言及しないよう討論会の司会者に求めたと指摘。同幹部は「なんて哀れなのか」とトランプ陣営を非難した。トランプ陣営はこうした主張を否定し「公衆衛生の危機を利用した究極の政治的策略だ」とバイデン陣営を批判した。

討論会に向けた準備からは両氏のスタイルの違いが鮮明になった。CNNテレビによるとトランプ氏が準備にあてたのは2時間以下だといい、トランプ陣営幹部は29日にオハイオ州に向かう大統領専用機内で記者団に「機内で討論会に向けた最終確認はしていない」と語った。

バイデン氏は8月中に討論会に向けた準備を始めた。9月下旬には東部デラウェア州の自宅にこもって、丸一日を準備にあてたこともあったという。民主党の大統領候補を決める予備選の討論会では、意表を突かれた質問への対応に手間取って支持率を落とした教訓もあり、入念に準備を行った。

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