米大統領選第1回テレビ討論、コロナや「資質」で激論
初の直接対決

トランプ政権
米大統領選
2020/9/30 10:06 (2020/9/30 13:14更新)
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29日、テレビ討論会に臨んだトランプ氏(左)とバイデン氏(中西部オハイオ州クリーブランド)=ロイター

29日、テレビ討論会に臨んだトランプ氏(左)とバイデン氏(中西部オハイオ州クリーブランド)=ロイター

【ワシントン=永沢毅】米大統領選は29日夜(日本時間30日午前)、第1回テレビ討論会を開いた。共和党現職のドナルド・トランプ大統領(74)と民主党候補のジョー・バイデン前副大統領(77)が初の直接対決に臨み、新型コロナウイルス対策や大統領の資質などを巡って激論を交わした。

初回は中西部オハイオ州クリーブランドのケース・ウエスタン・リザーブ大で開かれた。今回を含め、3回の討論会は11月3日投開票の大統領選の行方を左右する終盤のヤマ場となる。

討論会は冒頭から激しい応酬となった。新型コロナ対策を巡り、バイデン氏は「彼は2月時点でどんなに深刻な病気かを知っていたのに伝えなかった。大統領は計画を持っていない」と20万人超と世界最多の死者を出したトランプ氏の対応を批判した。

トランプ氏は中国からの渡航を禁止するなど適切な対応をとってきたとして「これは中国の失敗だ。私は素晴らしい仕事をやってきた」と主張。厳しい感染抑制策を訴えるバイデン氏を「もう一度米国を封鎖しようとしている。私は経済を再開したい」と批判し、経済再生にも目配りすべきだと切り返した。

人種問題では、バイデン氏が「トランプ氏は人種差別主義者だ。人種間の憎しみをあおりたいのだ」と攻撃。トランプ氏は「あなたは法と秩序(の重要性)を言わないのか。急進左派の支持を失うからだ」と返し、黒人暴行死を受けて全米で続発した暴動への強硬な対応を正当化した。

政策論だけでなく、大統領としての資質を問う応酬も目立った。トランプ氏は就任前に所得税をほとんど支払ってこなかった問題を司会者から問われると、正面から答えず「私は何百万ドルも所得税を支払ってきた」とかわした。バイデン氏は「納税申告書を公開しろ。教師の納税額よりも少ない」と迫った。

トランプ氏も負けじとバイデン氏が副大統領の在任中、次男ハンター氏が中国やウクライナでビジネス上の関係を持った件を取り上げて「ハンターは何百万ドルも大もうけしている」とただした。バイデン氏は「真実ではない。息子は何も誤ったことはやっていない」と反論した。

トランプ氏は新型コロナの感染拡大を受けて急増が見込まれる郵便投票を疑問視し、判明に時間がかかるとして選挙結果の受け入れに言質を与えなかった。バイデン氏は結果受け入れを明言し「不正に操作される証拠はない」と訴え、有権者に郵便投票の活用を呼びかけた。

連邦最高裁判所の判事人事を巡っては、トランプ氏が先に指名した保守派の女性を「素晴らしい候補だ」と早期の承認を訴えた。バイデン氏は「大統領選の結果を待たないといけない」と述べ、指名手続きを見送るべきだと主張した。

討論会ではトランプ氏がバイデン氏や司会者の発言を遮る場面も多く、司会者が「米国民はもっと内容の濃い議論を望んでいる」と注文をつけることもあった。両候補は新型コロナの感染を防ぐため、冒頭に慣例の握手をしなかった。

討論会に先立ちバイデン氏は自らの納税申告書を公開し、2019年の連邦政府への所得税額が28万8000ドルだったと明らかにした。大統領の慣例である納税申告書の公開に応じていないトランプ氏に公開するよう圧力をかけた。

テレビ討論会は政策だけでなく、その振る舞いを通じて大統領としての資質を試される場でもある。2016年大統領選はトランプ氏の女性蔑視発言、民主党のヒラリー・クリントン元国務長官の私用メール問題などを巡って激しい応酬となり、全体を通じて米メディアから「最も醜い討論会」との評価を受けた。

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