/

コモディティー投資が注目される3つの理由

コモディティー投資入門(上)

写真はイメージ=PIXTA

金や原油、農産物などの実物資産は「コモディティー(商品)」と呼ばれる。足元で注目度が大きく高まっているコモディティー投資の基礎知識を、2回に分けて紹介する。

現在、コモディティー投資に対する関心が高まっているのはなぜか。大きな理由の一つは、コモディティーが上昇トレンドにあること。金の国際価格は7月に1トロイオンス当たり2000ドルを突破し、史上最高値を更新した。コモディティー全体の値動きを表すCRB指数も4月以降は20%以上上昇している。

この背景として、各国中央銀行の超低金利政策や、政府による巨額の財政出動がある。これまで「金利を生まない」点がコモディティーの泣きどころだったが、主要国が軒並みゼロ金利になったことで、コモディティーの相対的な価値が高まった。また、新型コロナ対策で財政支出が急増したことにより、既存の法定通貨の価値が毀損するリスクが意識され、実物資産の魅力が高まったとも考えられる。

米連邦準備理事会(FRB)が、少なくとも2022年まではゼロ金利政策を維持する方針を示しているように、当面はコモディティー投資にとって良い環境が続くと考えられる。

「守りの資産」として注目

2つ目の理由として、分散効果への期待が挙げられる。これまで機関投資家は主に株式と債券を組み合わせることで投資リスクの低減を図ってきたが、「ゼロ金利の長期化で債券投資の魅力が薄れてきた」(森田アソシエイツの森田隆大さん)。このため、債券の一部を置き換える形で、コモディティーの中でも特に金をポートフォリオに加える動きが見られるという。

上の表は、過去20年間の主要資産の相関係数をみたもの。値が1に近づくほど、2つの資産の値動きが近くなることを表している。金は株式や債券などとの相関係数が0.35以下と小さく、異なる値動きをする傾向があると分かる。

長期の資産運用では、値動きの異なる資産に投資してポートフォリオ全体のリスクを下げるのがセオリーだ。金は値上がり期待だけでなく、「守りの資産」としても注目度が高まっていると考えられる。

総合取引所化で利便性向上

投資手段の多様化もコモディティーが注目される理由の一つ。東証では貴金属や原油などに連動するETF(上場投資信託)が多数上場し、手軽に投資できるようになった。

また、7月には東京商品取引所から大阪取引所に商品先物の一部銘柄が移管された。移されたのは、金やプラチナなどの貴金属、トウモロコシ・大豆などの農産物、ゴムの14品目。これまで大阪取引所は日経225先物などを扱っていたが、この移管によって、証券と商品を一体で扱う「総合取引所」になった。例えば、楽天証券では、日経225などの株価指数先物と金などの商品先物が同じ口座で取引できるようになり、投資家の利便性が高まっている。

(市田憲司)

[日経マネー2020年11月号の記事を再構成]

日経マネー 2020年11月号 年末高の波に乗れ! 年後半の稼ぎ方&勝負株

著者 : 日経マネー
出版 : 日経BP (2020/9/19)
価格 : 750円(税込み)

すべての記事が読み放題
有料会員が初回1カ月無料

関連トピック

トピックをフォローすると、新着情報のチェックやまとめ読みがしやすくなります。

セレクション

トレンドウオッチ

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
新規会員登録ログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン
Think! の投稿を読む
記事と併せて、エキスパート(専門家)のひとこと解説や分析を読むことができます。会員の方のみご利用になれます。
新規会員登録 (無料)ログイン