大阪・ミナミ、1月比18.8%下落 関西の基準地価

2020/9/29 16:50
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3年ぶりに大阪・キタの「グランフロント大阪南館」が関西の最高価格地点に返り咲いた

3年ぶりに大阪・キタの「グランフロント大阪南館」が関西の最高価格地点に返り咲いた

関西2府4県の2020年の基準地価(7月1日時点)は僅かながら上昇基調を保った大阪、京都の商業地を除き軒並み前年割れとなった。新型コロナウイルス禍でインバウンド(訪日外国人)需要が消滅。19年は最高価格地点だった大阪・ミナミの商業ビルが前年比4.5%下落し、今年1月比の下落率は18.8%に達した。郊外を中心に住宅地も前年割れが目立つ。

大阪の商業地は8年連続の上昇。大阪駅前の「グランフロント大阪南館」は前年比8.8%上昇し、3年ぶりに関西の最高価格地点はミナミからキタに戻った。全国でも6位、東京以外ではトップだ。上昇率関西トップは14.6%の「新大阪第一生命ビルディング」。いずれも大阪市内で逼迫気味のオフィス需要に下支えされた格好だ。

ただ、地価公示の基準となった1月時点との比較では「グランフロント大阪南館」は5.6%下落、「新大阪第一生命ビルディング」は9.8%下落。経済活動の停滞や在宅勤務の普及などで、オフィスの移転、縮小の動きが出ている。

ミナミの商業地の影響はさらに鮮明だ。「住友商事心斎橋ビル」は19年の上昇率が全国3位の45.2%で、価格も関西トップだったが、一転して関西最大の落ち込みとなった。近くの戎橋などではインバウンドの姿が消え、ドラッグストアや飲食店の閉店が相次ぐ。

京都府の商業地は7年連続の上昇だが、上昇幅は縮小した。京都市下京区の四条通柳馬場の商業ビル「Aoki BUIL」が4.6%上昇で7年連続の府内最高価格地点となった。上昇率は四条烏丸の「京都御幸ビル」が5.6%で府内トップ。1月と比較可能な地点では、八坂神社近くのお香専門店「豊田愛山堂」が前年比で4.5%上昇だったが、1月比では8.0%下落した。

兵庫県の商業地は5年ぶりに下落。神戸市の三宮センター街ではJR三ノ宮駅周辺の再開発を追い風に前年比2.3%上昇したが、1月比では6.9%下落した。奈良県では奈良公園や寺社への玄関口となる奈良市の近鉄奈良駅前の上昇率が1.2%と前年の15.1%から大幅に縮小した。

もっとも、「このまま不動産市場が崩れるとは思わない」との声も。関西はじめ全国で、投資法人みらい(東京・千代田)が保有するオフィスなど不動産の運用を手掛ける三井物産・イデラパートナーズ(同)の岩崎浩之副社長の見方だ。ホテルや飲食、物販などを除けば、コロナ禍にあっても商業地の地価は堅調に推移しているという。

関西の商業地で上昇率2位の10.9%となった「箕面市船場東3丁目」は大阪メトロ御堂筋線直通の北大阪急行電鉄が延伸し、23年に開業する「箕面船場阪大前駅」の予定地だ。大阪大学外国語学部の移転による今後の発展への期待で、1月比でも4.1%上昇した。

コロナ禍の取引低迷などの影響を受け、住宅地も大阪府が7年ぶり、京都府は3年ぶりに下落に転じた。他の4県でも下落基調が続く。

兵庫県では神戸市は0.2%上昇したが、西宮市は9年ぶりに下落。「高級住宅街で弱含みの動きが顕著」(不動産鑑定士の小杉正樹氏)という。尼崎市も8年ぶりの下落だ。奈良県でも生駒市、奈良市が8年ぶり、大和郡山市が3年ぶりに下落に転じた。

滋賀県では、草津、守山、野洲市で上昇率が縮小し、「ボーナス減少が顕在化すればマンション値下げの動きが出る可能性もある」(不動産鑑定士の高橋靖展氏)。和歌山県では下落率が9年ぶりに拡大した。

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