北海道、地価下落幅10年ぶり拡大 訪日客減で商業地低調
2020年 北海道の基準地価

2020/9/29 16:50
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北海道は29日、2020年の基準地価(7月1日時点)を発表した。林地を除く北海道の平均価格(1平方メートルあたり)は3万7300円で、平均変動率はマイナス0.5%。29年連続で下落し、下落幅も10年ぶりに拡大した。新型コロナウイルスで訪日外国人が消え、前年まで好調だった商業地がマイナスに転じた。

商業地の平均価格は8万8500円、平均変動率はマイナス0.4%だった。下落は3年ぶり。インバウンド需要がほぼゼロになり、札幌市などで活発だったホテルや飲食店などの再開発熱が急速にしぼんだ。北海道不動産鑑定士協会の斎藤武也氏は「前回上昇率を押し上げていた基準地が伸びなかった。飲食店街も営業自粛があったことが影響し上昇率が下がった」とみている。

商業地の道内最高価格は36年連続で「札幌市中央区北3条西2の1の13外」の383万円(8.2%増)。前年の20%増から上昇幅には急ブレーキがかかった。上昇率のトップも倶知安町駅前通り地区の32.0%で前年(66.7%)からは半減している。上昇率のトップ10には札幌市のほか、千歳市や北広島市の地点が並んだ。

札幌市の商業地は平均価格が40万2600円、平均変動率が6.6%上昇したものの、19年(11.0%)、18年(10.0%)と比較すると上昇幅が縮小している。縮小は3年ぶり。札幌市中心部の狸小路5丁目北側(中央区南2条西5の26の17)では上昇率が4.8%となり、前年(21.7%)から大きく下がった。

一方、北海道全体の住宅地の平均価格は2万円、平均変動率はマイナス0.5%と23年連続のマイナスだった。下落幅は横ばい。新型コロナの感染拡大でビジネスパーソンの転勤をはじめ経済活動が停滞したことも影響したとみられる。

住宅地の道内トップ10はすべて札幌市内で、円山公園に近い札幌市の北海道神宮北側(中央区宮ケ丘2の474の86、1平方メートルあたり30万7000円)だった。上昇率トップは別荘やペンションの多い倶知安町・樺山地区の地点の29.2%増(価格は7万7500円)で、前年の66.7%増から上昇ピッチは大きく鈍った。

これまで北海道全体の地価を押し上げてきた札幌の地価上昇率が鈍化した

これまで北海道全体の地価を押し上げてきた札幌の地価上昇率が鈍化した

札幌市の住宅地の平均上昇率は前年比横ばいの6.1%。市内で上昇率が高かったのは白石区(8.0%)、手稲区(7.8%)で、中心市街地のある中央区(5.6%)や北区(7.0%)を上回った。「低金利政策の影響で、都心部から離れた地区で需要が伸びている」(斎藤氏)

道内に目を転じると、インバウンド需要に依存してきたリゾート地や観光地で苦戦が目立つ。世界的なリゾート地として外国人に人気の倶知安町では、従業員の住宅確保のために地価が上昇していた駅近くの市街地でも住宅地の上昇率が鈍化傾向にある。人口10万人超の都市の商業地の平均変動率をみると、札幌市が6.6%増(前年は11%増)、函館市は1%減(同1.8%増)だった。

新型コロナ拡大前は年間約700万人の観光客が訪れていた小樽市では商業地が前年の5.4%増から0.5%増に減速。これまで上昇が著しかった小樽駅から小樽運河に続く観光地区で地価の上昇が一服している。

一方、帯広市では基幹産業の農業が堅調で住宅地(3.3%増)、商業地(0.7%増)ともに上昇率も拡大した。人口が増加している千歳市でも地価が上昇している。新型コロナの影響で物流施設の需要が高まり、北広島市の大曲地区では上昇率が16.1%と全国で2位に食い込んだ。

(久貝翔子)

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