千葉県内の住宅地、6年ぶり下落 コロナ禍で取引停滞

千葉
2020/9/29 16:50
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千葉市中央区などでは住宅地の値上がり基調が続いている

千葉市中央区などでは住宅地の値上がり基調が続いている

千葉県が29日発表した2020年基準地価(7月1日時点)によると、住宅地は前年に比べて平均0.2%下がった。住宅地が下落に転じるのは6年ぶりだ。商業地の上昇ペースも鈍化した。新型コロナウイルスの感染拡大で土地の取得を手控える動きが広がり、相場を押し下げた。

千葉市や船橋市、市川市を含む東京圏の住宅地の平均変動率は前年比で横ばい(19年は0.6%上昇)、銚子市や館山市など地方圏は0.7%下落(同0.5%下落)した。都内へのアクセスに優れた県北西部は住宅地の値上がり基調が続いてきたが、下落に転じる地点が相次いだ。

新型コロナの影響で不動産取引が停滞し「宅地として取引が多い土地の価格が弱含んだ」(地価調査を担当した不動産鑑定士の佐藤元彦氏)。東京湾アクアラインの出入り口に近く、若いファミリー層の流入が多い袖ケ浦市や君津市、木更津市は値上がり基調が続いているものの、上昇率は前年を下回った。

房総半島の東部や南部を中心とした地方圏で、住宅地が値上がりしたのは一宮町のみ。東京五輪のサーフィン競技会場に選ばれて以降、移住や商業開発が進み、同町東浪見は県内住宅地の最高上昇率(7.7%)地点となった。千葉市中央区や浦安市も1.0%上昇しており、東京圏と地方圏の二極化が一段と進んでいる。

商業地は前年比で1.4%上昇したものの、伸びは前年(2.8%)より鈍化した。県内商業地で最も上昇率が高かった市川市八幡2丁目は19年に20%以上値上がりしたが、20年は15.8%。同じく19年の上昇率が20%を超えた浦安市美浜1丁目も、20年は9.8%の伸びにとどまった。

新型コロナによる休業要請や外出自粛で商業地の店舗や施設の収益が悪化したほか、賃料減免などの影響で商業ビルのテナント収入が減少。「土地の収益性が下がった」(佐藤氏)ことが右肩上がりだった商業地の相場を下振れさせた。

全用途の平均変動率は前年比で0.1%上昇した。6年連続で上がったが、上昇率は前年(0.7%)に比べて大幅に縮小した。地価が上昇したのは258地点と前年に比べて56地点減少。下落地点は340地点で75地点増加し、3年ぶりに上昇地点を上回った。コロナ禍の影響が一過性に終わる可能性もあり、佐藤氏は今後の地価動向について「穏やかな変化になる」とみている。

■工業地の需要根強く

千葉県内の工業地は前年に比べて2・4%上昇し、8年連続で値上がりした。上昇率は前年(2・5%)とほぼ同じで、住宅地や商業地に比べて底堅さが際立つ。コロナ禍でネット通販の市場拡大が加速し、大型物流施設の建設用地などの引き合いが強い。

上昇率が最も高かったのは前年と同じ松戸市稔台5丁目(11・1%)。東京外郭環状道路(外環道)の開通で東京湾岸や北関東へのアクセスが大幅に向上し、人気が高まっている。外環道と首都高速道路湾岸線をつなぐ高谷ジャンクションに近い船橋市西浦2丁目(7・4%上昇)、市川市高谷新町(7・3%上昇)が続いた。

東京に近接し、若いファミリー層の多い県北西部は働き手も確保しやすく、物流業界では以前から首都圏屈指の人気エリアだった。不動産鑑定士の佐藤元彦氏は「コロナ禍で物流施設の需要がさらに高まっている」と指摘。工業地の地価動向は当面、堅調に推移する公算が大きい。

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