OKI、空中視点映像システム 建機など遠隔操縦向け

OKIは29日、バスや建設機械向けに車両の周囲や空中からの視点で遠隔監視できる映像システムの販売を始めたと発表した。車両に取り付けた魚眼カメラで撮影した大容量のデータを処理する端末を開発し、通信環境に応じて画質を切り替えられる仕組みを取り入れて実現した。自動運転の管理や遠隔からの操縦補助などの用途を見込む。

車両の周囲に取り付けた4台の魚眼カメラの映像を合成して送受信することで、遠隔のモニターで空中から車両を眺める視点の映像をリアルタイムに見ることができる。モニターを操作して上空からや横からなど、視点をなめらかに動かすことが可能だ。2通りの視点の映像を同時に並べることもできる。
建設機械を遠隔で操縦する場合、上空など周囲から確認することで1カ所から撮影した360度の映像よりも周囲の障害物などを確認しやすい。自動運転のバスを遠隔管理する際には乗降口付近の様子を監視することもできる。
遠隔で高画質な映像を受信できるように、OKI独自の合成技術と映像処理能力の高い集積回路を使って車両側の端末上で映像を合成した。ハイビジョン映像を送れるほか、通信環境が悪い場合は低画質の映像に切り替えることができる。
バスや建設機械のほか、船舶などの事業者への導入を目指す。将来的には機器を小型化することでドローンなどへの搭載も検討する。
車両などに載せる本体装置とカメラ、映像を受信するモニターを発売する。価格は運用する環境や納入する規模に応じて決め、顧客のフィードバックをもとに操作性や性能を向上させる。2021年をメドに本格的な量産販売に乗り出し、年間1万台の販売を目指す。(橋本剛志)