フォートナイトとAppleの訴訟、越年へ 250万人に影響

2020/9/29 11:29
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米連邦地裁で開かれた審理で「フォートナイト」配信再開に向けたエピックゲームズとアップルの妥協案はまとまらず、本格的な論争は2021年に持ち越すことになった=ロイター

米連邦地裁で開かれた審理で「フォートナイト」配信再開に向けたエピックゲームズとアップルの妥協案はまとまらず、本格的な論争は2021年に持ち越すことになった=ロイター

【シリコンバレー=白石武志】規約違反で配信を止められた人気ゲーム「フォートナイト」をめぐる米エピックゲームズと米アップルの法廷闘争が長引く見通しとなった。米連邦地裁で28日に開かれた審理で配信再開に向けた妥協案はまとまらず、本格的な論争は2021年に持ち越すことになった。当面はアップル製品上でフォートナイトをダウンロードできない状態が続く見通しだ。

28日に開かれた2回目の審理で、米カリフォルニア州北部地区連邦地裁のロジャーズ判事はエピック側に配信停止の引き金となった独自の決済システムを取り下げるよう促した。規約の順守を求めるアップルと一時的な配信再開で合意するためだが、エピック側の弁護士は「独占企業の違法な規定を支援すべきではない」として拒否する考えを示した。

エピックは自社の課金システムの利用をアプリ開発者に強いるアップルの行為は反トラスト法(日本の独占禁止法に相当)に違反すると主張している。ロジャーズ判事は今回の訴訟について「反トラスト法の最前線にある重要な事件だ」と述べ、市民から選ばれた陪審員が評決を下す陪審制を採用する考えを示した。本格的な審理は21年7月に始まる見通しだ。

今回の法廷闘争を仕掛けたのはエピック側だ。20年8月13日にアップルのアプリ配信の規約を意図的に破ってフォートナイトに独自の課金システムを導入した。即座にアップルが自社製品上でフォートナイトの配信を停止したのを受け、エピックはアップルを相手取った訴えを起こした。

アップルはエピックに対しアプリ開発者としての登録を取り消すことも通知し、8月28日には同社の全てのゲームについて自社製品上での配信を停止した。エピックはこうしたアップルの対応について「報復行為だ」と批判し、9月4日に地裁に配信再開などを求める仮差し止めを申し立てていた。

エピックによると、配信が停止される直前までフォートナイトの利用者の10分の1に相当する約250万人がアップルのモバイル端末向け基本ソフト「iOS」を通じてプレーしていたという。こうした利用者はアプリをダウンロード済みであってもソフトの更新を受けられない状態となっているが、ロジャーズ判事はアップルに配信再開を命じる判断は示さなかった。

アプリ配信や課金の仕組みをめぐっては米グーグルもエピックから訴えを起こされているが、対応はアップルと対照的だ。グーグルは28日にモバイル端末向け基本ソフト「アンドロイド」の次期バージョンでは、利用者がグーグル以外のアプリ配信サービスを使いやすくする方針だと発表した。外部企業によるアプリ配信を認めないアップルに比べ、柔軟な姿勢を示している。

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