がん「光免疫療法」年内にも使用可能 楽天メディカル
楽天グループの楽天メディカル(米カリフォルニア州)は29日、国内で承認を取得した新規がん治療法「光免疫療法」について年内にも国内の医療現場で使用できる可能性があると明らかにした。同日、東京都内で記者会見した楽天の三木谷浩史会長兼社長(楽天メディカル会長)は「今回の承認は最初の一歩だ。早期に世界に広めていきたい」と自信を見せた。

光免疫療法はがん細胞に結合する抗体医薬とレーザー光を組み合わせ、がん細胞を破壊する治療法。米国立衛生研究所(NIH)の小林久隆氏が開発した。これまでの臨床試験(治験)では顔や首の周辺にできる再発性の頭頸部(とうけいぶ)がんの4割で、がん細胞が縮小したり消失したりする効果が確認されている。
米国では現在、製品化前の最終段階の治験が進行中だが、日本では画期的な治療薬候補として最終段階の治験を省いての迅速承認となった。今後、中央社会保険医療協議会の議論で保険適用で必要な治療の公定価格が決まる見通しで、早ければ2~3カ月後には医療現場で使用できるようになるという。
海外では頭頸部がん以外の様々ながんに対しても有効性を確かめる研究を進めているといい「技術の潜在力は高い」(同社)としている。開発者の小林氏も「多くの患者に効果が期待でき医療経済の面でも優れた治療法だ」と説明している。
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