山梨の基準地価28年連続下落 9年ぶり下落幅も拡大

インバウンド
山梨
2020/9/29 16:50
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山梨県内の商業地で価格が最も高い甲府市丸の内の地点

山梨県内の商業地で価格が最も高い甲府市丸の内の地点

山梨県が29日発表した2020年の基準地価(7月1日現在)は、全用途の平均変動率がマイナス1.5%と、1993年から28年連続で下落した。下落幅も0.3ポイント増と9年ぶりに拡大した。住宅地と商業地も28年連続で下落し、昨年27年ぶりに上昇した工業地も2年ぶりの下落となった。

県内の林地を除く調査地点は19年と同じ260地点。上昇は11地点減り4地点、横ばいは4地点増えて43地点だった。

代表幹事として調査をとりまとめた不動産鑑定士の鶴田郁哉氏は「下落は複合的な要因があるが、新型コロナウイルスの影響による先行き不透明感も地価に表れた。新型コロナの行方がどうなるかを見ていく必要がある」と述べた。

住宅地の下落率は平均1.6%と、前年(1.4%)より下落幅が0.2ポイント拡大した。上昇は3地点と19年より3地点減り、上昇幅はいずれも縮小した。横ばいは3地点増えて24地点となった。

住宅地は全般的に価格が落ち着き、富士北麓地域の別荘地で需要が高まるなどのプラス要因がある一方、新型コロナで環境の良い別荘地でも上昇幅が縮小した。高齢化や人口減少も大きな要因で、人口減少が著しく世帯数も減少している身延町は県平均に比べ下落幅が2.3ポイント大きかった。

商業地の下落率は1.4%で、下落幅は19年より0.4ポイント拡大した。19年に2地点あった上昇地点はゼロとなり、横ばいも2地点減って5地点となった。

特に19年に訪日外国人(インバウンド)の増加でプラス6.4%だった富士河口湖町船津は、20年にマイナス4.1%まで落ち込んだ。観光客向け飲食店がある地域で、新型コロナの影響が強く出たという。

昭和町のイオンモールなど大型商業施設に客足が流れたことや、高齢化・人口減少による購買力の低下で、市川三郷町など近隣の商店街では商況が厳しく、商業地の下落が続いた。

工業地は1.3ポイント下がり0.1%の下落。19年に7地点あった上昇地点は1地点に減り、横ばいが3地点増えて10地点、ゼロだった下落は3地点となった。甲府市(2地点)は上昇幅が2.0ポイント縮小して横ばいとなり、唯一上昇した富士吉田市向原も1.9%と上昇幅が2.7ポイント縮小した。

中部横断自動車道の一部区間の開通や、中央自動車道のスマートインターチェンジ(IC)の供用で、工業地としての利便性は向上したものの、新型コロナによる先行き不透明感から工業地の需要が弱まり相殺されたという。

一方、20年中とされていた中部横断自動車道の山梨―静岡間の全線開通時期について、国土交通省は7月中旬、21年夏ごろになるとの見通しを発表したが、地価の調査時点より後だったため、今回の結果には影響していない。また、来年の地価調査では「開通が予定通りなら、開通目前となるため、マイナス影響が出ることはない」(鶴田氏)とした。

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