コロナ後「対面・遠隔を併用」 文科省、デジタル化推進
文部科学省は28日、中央教育審議会の分科会を開き、新型コロナウイルス収束後の学校教育について「対面と遠隔指導を併用し、児童生徒それぞれにあった学びを実現する」などとする方向性を示した。コロナ下で浮き彫りとなったデジタル化の遅れへの対応として、教員の指導力向上や指導計画の柔軟化などを進める方針も盛り込んだ。
同省は感染症対策をとりながら対面指導を続けられるよう、1クラスあたりの人数を少なくする「少人数学級」を試行する関連費を2021年度概算要求に計上する方針。紙の教科書をデジタル化した「デジタル教科書」についても、小学校高学年と中学生に先行して導入を促す。
文科省は授業を受けることで進級や卒業が認められる「履修主義」にこだわらず、オンラインなどでの遠隔指導でも学習内容が身についたかどうかで判断する「修得主義」を組み合わせた指導計画を認める制度設計を進める。
教育現場でのICT活用が進まなかった一因に、教員らの指導力不足がある。今後は大学での教職課程や、教員になってからの研修で補う取り組みを検討する。
20年度末には小中学生全員に1台ずつの学習用端末が配備されるのを踏まえ、個別の学習履歴をデータ化して管理して指導改善に用いたり、全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)をオンラインで実施したりする基盤を整える方針も示した。