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イオンが守る安値のDNA 第三のビールPB価格維持

イオンの第三のビールのPB「バーリアル」

イオンは28日、プライベートブランド(PB)で扱う「第三のビール」の価格を10月1日の酒税改正後も据え置くと発表した。酒税改正で350ミリリットル缶1本あたり約10円の増税でも、物流効率化などで税別価格を現行の78円のままにする。競合スーパーが増税分を価格に転嫁する見通しのなか、「上げにもうけるな、下げにもうけよ」というイオンのDNAを守った。

イオンが価格を据え置くのはPB「トップバリュ」で販売する第三のビール「バーリアル」。350ミリリットル缶のほか、500ミリリットル缶も本体価格110円を据え置く。全国のグループ約1万店で販売する。

「お買い得で高品質なポジションを絶対的にして、消費者を応援していきたい」。28日のオンライン会見でイオントップバリュの横山憲男副社長は強調した。

バーリアルは9月に入って麦のうまみをより感じられるようにリニューアルした。味わいを改良しつつ、酒税改正後もイオングループとしての標準小売価格を保つことで優位性を示したい考え。

ただ価格を据え置いたのでは収益面は厳しくなる。そこで物流センターに入荷した商品を在庫として保管せず、当日中に仕分けして出荷するようにする。保管費用を減らしてコストカットする。

イオンは2017年に酒類の安売り規制が強化された際もバーリアルの価格を据え置き、19年の消費増税時は原材料価格が上がっても本体価格は変えなかった。

こうした姿勢にはイオン前身の岡田屋の「上げにもうけるな、下げにもうけよ」という家訓が貫かれる。第1次世界大戦が終わった1920年、生糸相場が暴落した際に仕入れ値を下回る安売りで消費者の支持を集めて苦境を乗り切った。

当時はスペイン風邪の流行期で人々の不安感も根強かった。新型コロナウイルスはいまだ収束の兆しが見えず、景気や雇用の先行き不安は強い。「節約意識の高まりはこれからが本番」(首都圏の大手スーパー幹部)との声もある。

イオンは酒税改正に合わせて初のPBの生ビール「富良野生ビール」を10月6日に発売する。製造はサッポロビールが担う。ビールは酒税改正で10月から350ミリリットル缶1本あたり7円の減税となり売れ行きが伸びる可能性がある。新商品の本体価格は150円とビールメーカーによるナショナルブランドの商品より大幅に安い。

下がる時に役立つのが本当の商人――。イオンの岡田卓也名誉会長は著書でこう記す。イオンのDNAがコロナ下で支持を得られるか注目されそうだ。(古川慶一)

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