習氏、ウイグル政策「完全に正しい」 6年ぶり重要会議
【北京=羽田野主】中国の習近平(シー・ジンピン)指導部は25、26両日、北京で新疆ウイグル自治区に関する重要会議「中央新疆工作座談会」を2014年以来6年ぶりに開いた。習国家主席は「共産党の統治政策は完全に正しく、長期間にわたって必ず堅持すべきだ」と強調した。

中国国営の新華社が伝えた。座談会には習氏や李克強(リー・クォーチャン)首相など共産党最高指導部のメンバーが全員出席した。
習氏は「イスラム教の中国化を堅持せよ」と述べた。「中華民族共同体の意識を心の奥底に根付かせよ」とも語り、共産党の指導をイスラム系少数民族などに徹底するように指示した。
習氏は14~19年に新疆の1人当たりの可処分所得が年平均9.1%増だったと主張した。「新疆の経済社会の発展と民生の改善はかつてない成果を達成した」と誇示した。
習指導部がこの時期に重要会議を開いたのは、米欧社会が中国のウイグル族への管理政策を問題にしていることと関係がありそうだ。
トランプ米政権は14日、中国のウイグル族らによる強制労働で作られた可能性のある一部製品の輸入を禁じる措置を発表した。
フランスのマクロン大統領は22日、国連総会での一般討論演説で、新疆ウイグル自治区の人権状況を巡り「フランスは国連の保護を受けた国際調査団が現地を訪れられるよう求める」と表明した。「私たちは(国際社会として)懸念を抱いている」と述べた。
欧州連合(EU)のミシェル大統領も9月中旬のEU・中国首脳テレビ会議後の記者会見で「独立した監視団の新疆ウイグル自治区入りを求めた」と明らかにした。これに習氏が「人権の先生はいらない」と反発するなど溝が深まっている。

3期目となる新たな習近平(シー・ジンピン)指導部が発足しました。習政権では習氏に近いとされる「習派」は最高指導部を指す政治局常務委員で7人中6人を占め、序列24位以内の政治局員でも約7割が該当するとみられます。権力の一極集中を進める習政権の最新ニュースや解説をまとめました。
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