米、中国半導体SMIC向け輸出を許可制に FTなど報道

米中衝突
2020/9/27 10:33 (2020/9/27 22:32更新)
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【ワシントン=鳳山太成】米商務省が中国半導体受託生産の中芯国際集成電路製造(SMIC)に米国企業などが特定製品を輸出する場合に、事前に同省の許可を得るように求めていることが26日、分かった。英フィナンシャル・タイムズ(FT)など複数の欧米メディアが報じた。

輸出許可制になれば、SMICの生産に支障が出るのは避けられない。供給を受ける華為技術(ファーウェイ)にも打撃となる。半導体生産への締め付けで、中国のハイテク産業全体に影響が及ぶことになり、中国側の反発は必至だ。米中の亀裂はさらに深まることになりそうだ。

ロス商務長官は対中輸出規制を強化している=AP

ロス商務長官は対中輸出規制を強化している=AP

FTや米紙ウォール・ストリート・ジャーナルなどによると、SMICの取引先が商務省から受け取った25日付の通知文で明らかになった。SMICへの輸出は中国の軍事活動に使われるリスクがあるとしている。対象は米企業のほか、米企業の技術を使った製品を外国企業が輸出する場合にも適用される可能性がある。

事前許可制の対象となれば「SMICは半導体生産に必要な装置といった特定製品を米国企業などから入手しにくくなる可能性がある」(米通商弁護士)。同社は半導体生産にアプライドマテリアルズをはじめとした米企業の製造技術を活用している。

商務省の輸出規制担当者は26日、「特定の案件にはコメントできないが(安全保障の脅威に対して)適切な措置を講じていく」と述べた。

米政権内には、事前許可制だけにとどまらず、事実上の禁輸措置を通じた制裁をSMICに科す案もある。国防総省は9月上旬、安保上問題がある企業を並べた「エンティティー・リスト(EL)」に同社を加えるかどうか、商務省などと検討していると明らかにしている。商務省がファーウェイと同様にリストに加えれば、SMICの経営に大きな打撃は避けられない。

トランプ政権は中国の半導体産業への締め付けを強めている。15日には米国技術を使った外国製半導体をファーウェイに輸出するのを規制した。中国への半導体供給を止めるとともに、中国が半導体を内製化する手段も封じ込める二段構えの戦略だ。商務省は18年にもメモリーを手掛ける福建省晋華集成電路(JHICC)をELに追加し、量産計画を頓挫させた。

中国の習近平(シー・ジンピン)指導部は米国に対抗するため、米国技術に頼らない半導体の生産体制の構築を急いでいる。SMICは、半導体の自給率を引き上げる目標を盛り込んだ国家戦略「中国製造2025」で多きな役目を担っており、ファーウェイにも半導体を供給する。株式市場や政府系ファンドから資金調達を増やし、台湾積体電路製造(TSMC)や韓国サムスン電子など技術力で先行する世界の競合を追っている。

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