インド、スリランカに10億ドル追加支援検討 首脳会談
インドのモディ首相は26日、隣国スリランカのマヒンダ・ラジャパクサ首相とオンラインで首脳会談を開いた。同国への10億ドル(約1050億円)の追加支援、対印債務返済繰り延べの可能性について協議した。テロ防止に向けた情報共有、農業や医療などでの協力関係の強化では合意した。

両国の首脳会談は、8月のスリランカ議会選でラジャパクサ氏が党首を務める与党スリランカ人民戦線(SLPP)が過半数を得てから初めて。
インド外務省の発表によると、会談の冒頭、モディ氏はSLPPの大勝に改めて祝意を伝え、「あらゆる分野で2国間関係を発展させられるだろう」と述べた。ラジャパクサ氏もモディ氏との連携強化に意欲を示した。
インドが検討するスリランカへの追加支援は通貨交換(スワップ)の仕組みを活用する。ロイター通信によると、同国に対してはラジャパクサ氏の首相就任後の2020年初め、すでに同様な方法で4億ドルの金融支援を表明済み。22年11月までの期限付きだ。スリランカの対印債務残高は9億6000万ドルにのぼる。
スリランカは19年4月に最大都市コロンボなどで起きた連続爆破テロからの再建や、新型コロナウイルス関連の経済対策で資金需要が膨らみ、追加支援を求めていた。
インド洋の島国スリランカは、中国の広域経済圏構想「一帯一路」の途上にあり、インドと中国が影響力を競っている。
ラジャパクサ氏は05~15年にスリランカ大統領を務め、その間に中国からの多額の投融資でインフラ整備を進めた。17年には債務返済に窮し、中国の支援で整備した南部ハンバントタ港の99年間の運営権を中国側に譲渡した。これは中国による「債務のわな」の典型例だといわれている。