神恵内村で「核のごみ」住民説明会、調査に前向きな声も

2020/9/26 21:45
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会場では説明資料をスクリーンに映し出し説明した

会場では説明資料をスクリーンに映し出し説明した

北海道神恵内村で26日夜、高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の地層処分について経産省の担当者を招いて初めての住民向け説明会が開かれた。同村では商工会が最終処分場誘致につながる「文献調査」への応募検討を村議会に求め、村議会が検討に入っている。

休日の夜にもかかわらず説明会には約130人が出席。100席ほど用意していた座席が満員となり、追加の座席を用意する場面もあった。小学生の子どもを連れて家族で参加する住民も多く、地元での関心の高さを示した。

冒頭にあいさつした経産省資源エネルギー政策統括調整官の吉村一元氏は「住民の不安や疑問に少しでも多く答えたい」と述べ、原子力発電環境整備機構(NUMO)の富森卓地域交流部専門部長が、核のごみが発生する経緯や地層処分が必要となる理由、地震や津波など災害への想定などについて説明した。

説明会には約130人が訪れ、会場は満員になった

説明会には約130人が訪れ、会場は満員になった

経産省が処分の適地を示した「科学的特性マップ」で神恵内村は適地から外れているが、経産省の吉村氏は「調べなければ分からないことが多くある」として文献調査に進む意義を強調した。

住民の質疑応答では「商工会の意見を尊重したい」、「経済が落ち込むなかで、この先への不安も大きい。文献調査に応募してもいいのではないか」などと文献調査に前向きな声が目立った。村内の高齢男性は「(隣接する泊村の北海道電力泊原子力発電所によって)交付金の恩恵を受けている。周辺地域で責任を持ち、後の世代に問題を先送りすべきではない」と話した。

一方、別の高齢男性は「説明はきれいなことばかりで本当に危険なことはないのか疑問」と不満の声を上げた。NUMOの富森氏は「核のごみは強い放射能を発する非常に危険なもの。調査ではそれを踏まえて適切に処理できるか、要件を一つ一つ丁寧に検証していく」と回答した。

子どもを連れた家族連れの姿も複数あった

子どもを連れた家族連れの姿も複数あった

北海道では寿都町も文献調査への応募を検討している。経産省の吉村氏は文献調査に応募した場合でも「市町村長らの意に反して(最終段階の)精密調査などへ進むことはない」と繰り返した。また「説明会を開くことさえも難しい状況があったが、関心を示してくれるリーダーが出てきた。議論を深めていただくことが何より重要」と謝意を示す場面もあった。

説明会の終了後に取材に応じた高橋昌幸村長は「住民の理解が進んだ。色々な意見を聞きながら自らも勉強し、応募の判断について考えたい」と話した。説明会は開催場所を変え、30日まで5日間続けて開かれる。

(久保田皓貴)

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