レバノン組閣断念、新首相候補が辞意 混乱長期化の懸念

2020/9/26 19:34
保存
共有
印刷
その他

【カイロ=久門武史】レバノンで8月末に新首相に指名されたアディブ前駐独大使が26日、組閣を断念し辞任すると表明した。組閣が宗派間の対立で難航し、目標としていた9月中旬を過ぎてもまとまらなかった。破綻状態の経済の再建に向けた国際支援が難しくなり、混乱が長期化する懸念がある。

組閣を断念し辞意を表明するアディブ氏(26日、ベイルート)=ロイター

アディブ氏は実務家型の内閣を目指してきたが、26日に「組閣作業から手を引く」と述べた。宗派間の利害対立を収拾できなかった。経済改革で主要な役割を果たす財務相ポストについて、ヒズボラなどイスラム教シーア派勢力が手放さなかったと伝えられた。レバノンは18ある公認宗派が閣僚ポストなどを分け合う慣行がある。

国際社会のレバノン支援は足踏みを余儀なくされる可能性がある。主導する旧宗主国フランスは、10月末までにレバノンが腐敗追放などの改革の道筋をつけることを経済支援の条件にしている。

マクロン仏大統領は9月1日にレバノンで各宗教・政治勢力の有力者と面会し、2週間以内の組閣の約束を取り付けたとしていた。アディブ氏の辞任で、レバノンは首相候補選びからやり直す必要がある。政治空白が長引けば改革も遅れ、支援も滞りかねない。

レバノンは公的債務の膨張や通貨の暴落、新型コロナウイルスの感染拡大などで市民生活が圧迫されている。8月4日に首都ベイルートで大規模な爆発が起きた後にディアブ政権が総辞職し、アディブ氏が新首相に指名されていた。

保存
共有
印刷
その他

電子版トップ



[PR]