冬のコロナ再流行を予想 逆風銘柄の下落を待ち受け
スゴ腕個人の逆張り投資戦略(下)

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2020/10/5 2:00
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羽田空港で機内への案内を待つ搭乗客(今年3月に撮影)

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コロナ禍で成長株に資金が集中して割高感が漂う中、投資家の物色が割安株に向かうとの見方が強まっている。それを先回りして、逆張りで割安銘柄を仕込むスゴ腕の個人投資家がいる。彼らの投資戦略を紹介する後編は、過去に逆張りで大化け株を複数ものにしてきた勝負師の次の手にスポットを当てる。

「失敗した。今回は順張りで、コロナ禍でも業績が伸びている会社の株を買うべきだった」

電話の相手は、まず反省の弁を口にした。声の主は、兼業投資家のたーちゃんさん(ハンドルネーム)。これまでは割安株投資で守りを固めながら、価格が10倍前後に上昇する大化け株を複数ものにして、運用資産を数億円に増やしてきた。

このスゴ腕投資家が振り返ったのは、コロナショック後に手掛けた投資。需要縮小による原油価格の急落で大きく値下がりしていた石油会社株などを仕込んだ。大きなリバウンドを期待した投資だ。

ところが実際に値上がりしたのは、食品スーパーやホームセンターの株など、コロナ禍を逆風ではなく追い風にして売り上げを急拡大させた業種の銘柄。たーちゃんさんが買った株は、値上がりどころか、一段と値下がりしたものも少なくなかった。

「コロナショックで暴落した株式市場は3月中旬に一度、底を付けた。底を付けてから2カ月くらいは上昇相場になる。このことは過去の経験で分かっていた。勝負のタイミングは間違っていなかったが、銘柄の選択を誤った」

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■後悔はしても立ち止まらず

もっとも、たーちゃんさんが逆張りの勝負を仕掛けたのは、無理からぬことかもしれない。過去にも逆張りの投資で大きな成功を収めてきたからだ。

金の価格が急落した時に購入した豪州の鉱山会社株。好景気で低価格の外食チェーンから客足が遠のいていた時に買ったトンカツチェーン「かつや」のアークランドサービスホールディングス。そして、過払い金の返還問題で経営が悪化していた消費者金融大手のアイフル──。大化けして資産の拡大に貢献したのは、いずれも逆張りの銘柄だ。

ミスは悔やんでも、立ち止まりはしない。既に次の手を練っている。まずコロナ禍を追い風に上昇してきたウィズコロナ銘柄の値下がりを待ち構える。世界各国で開発が急ピッチで進むワクチンの臨床試験(治験)が終了して、医療現場への供給が始まると、それが下押しの材料になると読んでいるからだ。保有株を売って、ウィズコロナ銘柄を買い入れ、さらに現金を増やす考えだ。

■製鉄会社株に大きな期待

現金を積み増すのは、今年11月以降の冬季に新型コロナの感染が再拡大し、株式市場が大きく調整するという見通しを持っているからだ。そこで、アパレルや百貨店などコロナの逆風を強く受けている業種に関連する銘柄の中で、大きく値下がりする銘柄を買う計画だ。積み増した現金はその資金に充てる。下は、購入候補にしている銘柄のリストだ。

「特に東京製鉄が10年ぶりに中国への鋼材輸出を再開し、業績改善の道筋が見えてきた製鉄会社株には大きな期待を持てそうだ」と語る。

(中野目純一)

[日経マネー2020年11月号の記事を再構成]

日経マネー 2020年11月号 年末高の波に乗れ! 年後半の稼ぎ方&勝負株

著者 : 日経マネー
出版 : 日経BP (2020/9/19)
価格 : 750円(税込み)

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