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コロナで不振の業種をまとめ買い 反発をじっくり待つ

スゴ腕個人の逆張り投資戦略(上)

営業自粛で閑散とした三越日本橋本店付近
コロナ禍で成長株に資金が集中して割高感が漂う中、投資家の物色が割安株に向かうとの見方が強まっている。それを先回りして、逆張りで割安銘柄を仕込むスゴ腕の個人投資家がいる。彼らの投資戦略を2回にわたり取り上げる。初回は、筋金入りの割安株投資家が仕掛けた勝負を紹介する。

5億円を超える資産を運用する専業投資家のごはんさん(ハンドルネーム)。このスゴ腕投資家がコロナショックによる株式相場の暴落を逆手に取り、新たな勝負に出ている。新型コロナウイルスの感染拡大による景気の悪化に伴って業績が大幅に落ち込み、大きく値下がりした割安株への逆張り投資だ。リバウンドによる大きな値上がり益を期待して、百貨店大手4社や自動車部品メーカー10社以上の株をまとめ買いした。

成功体験の再現狙う

ごはんさんが得意としているのは、PER(株価収益率)という指標で見て割安な銘柄を購入し、値上がりを待つ割安株投資だ。現在も運用資産の8割は、低PER銘柄を対象にした割安株投資に振り向けている。神戸物産の低価格食品スーパー「業務スーパー」などをフランチャイズで展開するG‐7ホールディングスなど、コロナ禍でも業績を順調に伸ばしている銘柄を保有する。

それにもかかわらず、業績不振企業の株を対象に逆張り投資を仕掛けた背景には、過去の成功体験がある。2008年のリーマン・ショックで株式市場が暴落した時に、不動産会社の株をまとめ買いして大きな利益を上げたのだ。

「財務が良好で、どれほど深刻な不況になっても倒産する恐れがない会社の株まで売り込まれた。そこで、倒産のリスクのある銘柄も合わせて買い、トータルで利益を出すことを狙った」と振り返る。

こうした逆張り投資の対象としてコロナショックで着目したのが、自動車部品メーカー。自動車の販売は景気の動向に大きく左右されるため、自動車メーカーや自動車部品メーカーの株価は、景気に連動して大きく上下する。

「調べたところ、17年後半~18年初めにピークを付けて下落に転じた銘柄が多かった。反発による値上がり幅が大きくなることを見込み、業績不振の日産自動車ホンダとの取引が多く、下落率の大きいユニプレスなどの銘柄を買った。ピーク時の水準に戻れば3~4倍高を取れる」

ごはんさんはこう語り、次のように続ける。

「期待に反して反発しない銘柄の影響を少なくするため、銘柄をもう少し増やして、分散効果を高めたい。だから、まだ買っていない銘柄が値下がりするのを待っている。自動車部品メーカーの株は、次の景気拡大期に入るまで持ち続ける方針だ」

百貨店株は1年勝負

一方、百貨店株は、来期(21年度)の第1四半期決算が発表されるまでの1年勝負だ。今期(20年度)の第1四半期は、今年4~5月に営業を自粛したため、実質1~1.5カ月分の業績しか計上されていない。

「新型コロナの再流行で営業を再自粛する事態にならなければ、来期の第1四半期の業績は大幅に改善するはずだ。それを受けて買いが集まり、大きく値上がりすると想定した。再自粛で前提が崩れたら、売却して撤退する」

さらにごはんさんは、収益基盤の強い飲食チェーンの株にも注目している。飲食店の閉店が相次いで残存者利益を得るとみているからだ。「買いたい価格まで下がれば購入する」と機会をうかがう。

(中野目純一)

[日経マネー2020年11月号の記事を再構成]

日経マネー 2020年11月号 年末高の波に乗れ! 年後半の稼ぎ方&勝負株

著者 : 日経マネー
出版 : 日経BP (2020/9/19)
価格 : 750円(税込み)

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