外国人向け「やさしい日本語」、認知度3割どまり
文化庁が26日までに発表した国語に関する世論調査によると、日本で暮らす外国人に災害・行政情報を伝える際、より平易な「やさしい日本語」を使う取り組みについて「知っている」と答えた人は29.6%にとどまった。
やさしい日本語は「住所」を「住んでいるところ」、「余震」を「後から来る地震」などと言い換え、日本語に不慣れな外国人でも理解しやすくする。取り組みを知っている人の割合が最も高いのは60代(39.4%)で、20代以下は「知らない」が8割近くに上った。
外国人への情報伝達に必要な取り組みを複数回答で尋ねたところ「様々な国の言葉で情報提供する」が58.1%と最多で、多言語発信を重視する人が目立った。「やさしい日本語でわかりやすく伝える」は46.3%だった。「外国人が日本語能力を身につけるための学習環境の整備」が28.6%、「外国人が自主的に日本語を学ぶ必要がある」が22.6%と続いた。
外国人と接する機会が「ある」「時々ある」人は計28.9%だった。意思疎通の方法を複数回答で尋ねると「身ぶり手ぶりを交えて話す」が51.3%で最も多く、「英語などの外国語で話す」の44.7%を上回った。
外国人と日本語に関する意識についてのこうした問いは、2019年の日本語教育推進法施行を受けて初めて設けられた。対象は日本人だけだった。