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鈴木スポーツ庁長官退任「女性登用、少しずつ進展」

Tokyoオリパラ
2020/9/25 18:24
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9月30日で退任するスポーツ庁の鈴木大地長官が25日、東京都内で最後の定例記者会見を行った。「スポーツ関係者の長年の夢だったスポーツ庁を、いいかたちで前進させていくことが務めだった。スポーツの価値を高めるために多くのことをしてきた」と5年間の取り組みに満足感を口にした一方で、延期となった東京五輪・パラリンピックについては「日本代表選手の活躍を見られなかったことは中途半端に終わるような感じで心残り」と未練もにじませた。

 記者会見で在任期間を振り返るスポーツ庁の鈴木長官(東京・霞が関)=共同

記者会見で在任期間を振り返るスポーツ庁の鈴木長官(東京・霞が関)=共同

1988年ソウル五輪競泳金メダリストで日本水泳連盟会長も務めた鈴木長官は、2015年10月に発足したスポーツ庁の初代長官に就任した。競技力向上では「鈴木プラン」と名付けた強化策を策定し、メダル獲得の期待が高い競技を重点支援する政策などを進めてきた。強化費を含むスポーツ予算も右肩上がりで増え続け、16年リオデジャネイロ夏季五輪、18年平昌冬季五輪ではいずれも過去最多のメダル数を獲得。日本オリンピック委員会(JOC)が史上最多の金メダル数を目標に掲げた東京五輪に向けて順調なルートを描いていた。

それだけに「区切りである東京大会を見届けられないということで、画竜点睛(がりょうてんせい)を欠くというか、最後の仕上げができなかったことが残念」と会見では率直に口にした。ただ、鈴木プランは国の予算が減る見込みの東京五輪後も持続的な強化・育成を見据えたもので、ジュニア世代のタレント発掘、競技転向プログラムなどの取り組みも含まれる。パラリンピック競技への支援も厚みを増し、五輪競技の強化拠点だった東京・味の素ナショナルトレーニングセンターは、新棟完成でパラ競技との共有も可能になった。自らの"レガシー"について「新しい室伏(広治)長官はそういった所もしっかりやり遂げてくれると思う」とバトンを託した。

東京五輪に向けた選手強化に注目が集まりがちだが、スポーツ行政は多岐にわたる。鈴木長官の5年間では国民の健康増進、スポーツビジネス、大学スポーツ、部活動、競技団体のガバナンスなど多くの分野に及んだ。

ボクシングやレスリングの競技団体(NF)で指導者やトップによるパワーハラスメントなどが相次いだことを受け、19年6月には役員の在任期間制限や女性・外部登用で数値目標を盛り込んだ「スポーツ団体ガバナンスコード」を策定した。取り組みが不十分だったりコードに違反した場合は補助金の減額などもある。25日の会見で鈴木長官は「役員改選の際に女性や外部を入れるなど少しずつ進展は見られる」と語った。

25年に15兆円の市場規模を目指すとしたスポーツビジネスの成長、教員の負担や練習時間の短縮を狙い「週休2日」を盛り込んだ運動部活動の指針なども含め、施策の多くは次の室伏体制で実行性が問われる。新しいスポーツのかたちへの種まきをした初代長官は「体育会系もあれば、楽しむスポーツもあっていい。多様性や柔軟性をもってやっていけば、スポーツはもっと広がる」と今後のスポーツ行政に期待をかけた。

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